鉄道展望写真撮影法1
今では、弊サイトの代名詞的存在になっている、鉄道の展望写真。
しかし、今に至るまで様々な苦労があり、
様々な試行錯誤を繰り返して現在の展望写真撮影法を確立しました。
ここでは、弊サイト作者がどのように鉄道の展望写真撮影を行っているかをご紹介します。
1、川柳の展望写真は1990年から

記念すべき第一号の展望写真です。
この写真では何の路線の展望写真か全く分かりません。
実はこれ、秩父鉄道の武州荒木駅構内なのです。
1990年(平成2年)の11月14日(埼玉県民の日)に撮影しました。
前面は白くなってしまい。かろうじて線路が見えるだけです。
失敗の原因は運転席直後からの撮影でなく、
かなり後から撮影したので、
車内の暗さと、車外の明るさのコントラストが極端に出てしまったためと、
当時のカメラ性能が悪かったからです。
「前面展望写真を撮影した」と、当時の鉄道ファンの友人たちに話したところ、
「見てみたい」とかなり興味を持ったので、
展望写真は人気があることが分かりました。
しかし、実際の写真は上の通りで、友人たちはかなりがっかりしましたが・・・。

これは2000年に撮影したJR小海線の甲斐小泉駅です。
10年が経過しましたが、
アナログ写真の制約上、何回も写真撮影の練習を出来るわけではなく、
あまり進歩していません。
駅構内は曇りで曇っていたので、
写真がぶれてしまったばかりか、
鉄道写真ではご法度のフラッシュを使った(現在は一切使っていません)ので、
前面ガラスにフラッシュの光が反射してしまい、
中心部が光ってしまいました。
まあ、この写真で学んだ格言と言えば、
「展望写真にはフラッシュは使わない」と、
「天気の悪い日は展望写真撮影に向いていない」と言うことでしょうか?

2006年12月に撮影した、最新の展望写真。
写真は西武多摩川線の武蔵境駅付近です。
冬場なので、影が長くなるのが気になるところですが、
16年でだいぶ撮影者の腕もカメラの性能も進歩したと言うことでしょうか?
2、展望写真は場所と天候を選べない
一般の鉄道写真は、
撮影に適した場所にカメラを構えるので、
タイミングがずれない限り成功率は高いのですが、
展望写真は、とにかく場所が選べません。
景色がどんどん流れてしまうので、
上手く景色をフレームに入れるのは難しいのです。
とにかく、成功率を上げるには連続して写真を撮りまくるしかなく、
また、カメラの構える位置と角度を撮影の都度変える必要があります。
また、最大の弱点は天候で、
展望写真は殆ど晴天でないと成功しません。
と、言うのは景色が流れてしまうので、
天候が悪く、外の景色が曇っていると、
シャッターの開く時間が長くなり、写真がぶれてしまうからです。
私が展望写真撮影に出かけるときはとにかく天気予報を見まくって、
失敗率を下げるようにしています。
展望写真を行うには天気図や気象衛星などの知識も必要です。
3、撮影に必要なもの
当たり前ですが、カメラは必要です。
先に書いたとおり、成功率を上げるため多くの写真を撮らなければならないので、
デジタルカメラでないとダメです。
ただ、デジタルカメラなら何でも良いわけでなく、
以下の条件のカメラを使います。
1、手振れ補正機能がついているもの。
と、言うのは動いている電車の中から撮影するので、
手振れ補正機能がないと、ことごとくぶれた写真になってしまうからです。
2、カメラはなるべく黒系、銀系のものにする。
赤いカメラは絶対に使ってはいけません。
と言うのは、フロントガラスにカメラの赤が反射して写り、
写真にそれが写ってしまうからです。
服装も赤や黄色の服を着るのは避けた方が良いです。
3、ズーム機能のあるもの
なるべくズームは高い倍率にできるものにします。
でないと、車両の窓枠やワイパーなどが写真に入ってしまうからです。
展望感を出すために逆にそれらを入れて撮影するカメラマンもいますが、
窓枠などは真っ暗く写ってしまうので、あまり良いとは言えません。
4、カメラはなるべく小型にする
最近、展望写真を撮る鉄道ファンが増えているのですが、
なんと一眼レフのカメラで撮影する方がいます。
実はこれ、あまり良くありません。
一眼レフのカメラはレンズが大きく、撮影角度によっては、
レンズのフレームがフロントガラスに映り、
いざ、写真を撮って出来た写真を見ると、
写真の真ん中にうっすらとまあるいものが写っていると言うことになりかねません。
また、カメラが大きく、
混雑した車内では他の乗客に迷惑になるばかりでなく、
結構、運転士も気にするようです。
ワンマン列車の後方展望写真でなく、
ツーマン列車の前面展望写真を撮る時は、
極力カメラと分からないほどの小型カメラにします。
もっと言えば、ズームしてもレンズが飛び出さないものが良いと言えます。
あまり枚数を撮らないなら携帯電話のカメラでも良いかと思います。
ただ、使い場所を間違えると誤解されますので、気をつけましょう。
5、その他の条件
とにかく多くの写真を撮影するので、
メモリーカードなどの容量は大きいものにします。
また、撮影中はずっとカメラを立ち上げっぱなしにするので、
電源は充電式乾電池またはバッテリーにします。
と言うのは、普通の乾電池だと、
1回の撮影ですっからかんになるからです。
コスト的に考えると、イニシャルコスト(最初のコスト)にお金をかけたほうが、
長期的に見ると安上がりになります。
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