清流を求めて・阿武隈急行8

16、兜(かぶと)Kabuto


片面1線の駅です。
左手が斜面の関係で、
ホームは線路を中心に集落とは逆側にあり、
ちょっと不便な気がします。
左手の集落は数件しかなく、
その集落周辺にも殆ど家が無いため、
阿武隈急行線の駅の中では一番利用客が少ない駅になっています。
なお、左手集落の名前は「桂野」で、「兜」ではありません。
駅名を「兜」にしたのは、かつて近くに阿武隈川を渡る渡船、
「兜の渡し」があったからだとされていますが、
そもそもの「兜」の由来は不明です。


兜駅を出ると、一旦右カーブが終わりますが、
またすぐに右カーブになります。




一部谷が切り込んでいる部分はPC橋で渡ります。


木々の生い茂る中を走ります。


斜面に沿って走り、短いトンネルになります。


そして、左カーブです。
左手には栗生(くりゅう)の集落があり、
九瀧神社や猿飛(さるぱね)岩などがありますが、
駅はありません。


カーブ途中で福島県から宮城県に入ります。
阿武隈急行はこの県境を境に通勤圏も学区も分かれているので、
全線乗り通す乗客は、観光客か鉄道ファンか、
たまたま用があって両県を行き来している人だけです。


羽出庭トンネルに入ります。
坑口の坑門部分でATき電線を左側から右側に移しています。
羽出庭トンネルは阿武隈急行線では最長のトンネルで、
全長2281メートルあります。


トンネルを出ると、直ぐあぶくま駅です。

17、あぶくま(あぶくま)Abukuma


片面1線の駅です。
駅前には「天狗の宮産業伝承館」という多目的ラウンジがあるだけです。
この建物は阿武隈急行線開通と同じ、昭和63年に出来ました。
駅から離れた所にいくつか集落があるのですが、
その集落へはホームと反対側の道路に、
警報器だけの構内踏切で渡った後、
かなりの距離を歩くことになります。
そのため、それらの集落の住民は、
阿武隈急行線を殆ど使っていないと思われます。
丸森橋を結ぶ、阿武隈ライン船下りが駅前から発着(冬季運休)していて、
阿武隈川の景勝を船から見ることが出来ます。


あぶくま駅を出ると、オートトランスを過ぎます。
ATき電線からトロリー線への電力供給は、
梁川駅構内のき電区分所以来です。


カーブを曲がり終わると、
保線用側線が合流します。
あぶくま駅〜丸森駅は8.1qもの駅間距離があり、
しかも地形的に厳しい区間を走るので、
この側線を設けて保線車両が待機できるようにしているのだと思われます。


川沿いの入り組んだ地形をPC橋で突っ切ると、
トンネルに入ります。


無塗装トラス橋で谷を渡ります。


渡り終えるとまたトンネルです。


このトンネルを抜けると数十メートルでまた次のトンネルに入ります。


トンネルを出ると直線になり、
次の砂ノ入トンネルに入ります。


やや長い砂ノ入トンネルを出てもまたトンネルです。

清流を求めて・阿武隈急行9

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