猫を求めて・和歌山電鐵貴志川線1

和歌山電鐵(わかやま電鉄)貴志川線は、
和歌山駅から貴志駅の14.3qを結んでいる路線です。
山東軽便鉄道が大橋駅(現・廃止)〜山東駅(現・伊太祈曽駅)間を
大正3年に開通させたのが最初です。
起点側を中ノ島駅まで延長したり、
東和歌山駅(現・和歌山駅)に変えたりと色々変更しながら、
昭和6年に和歌山鉄道に社名を変更し、
昭和8年に伊太祁曽駅(現・伊太祈曽駅)〜貴志駅間を開通させ、
今の路線が完成しました。
和歌山鉄道時代に電化を進め、昭和18年に全線電化した後、
昭和32年に和歌山電気軌道に合併されました。
そして、昭和36年に和歌山電気軌道は南海電気鉄道に合併されました。
〜〜〜〜〜
貴志川線は南海の他の路線とは直接接続されて無く、
他の路線の架線電圧が1500ボルトで統一された後でも、
唯一600ボルトのままでいた特異な路線でした。
昭和後期〜平成に入り、和歌山のモータリゼーションが進むと、
貴志川線の収益が減っていき、赤字路線になっていきました。
(昭和後期は接続する国鉄阪和線も今ほど便利ではなかったのも要因。)
とうとう赤字に耐えきれず、
南海電気鉄道は平成17年に貴志川線を廃止することを決めました。
しかし、沿線住民が存続運動を起こし、
それに応えるように両備グループの一員である岡山電気軌道が再建に乗り出しました。
岡山電気軌道は子会社の和歌山電鐵を設立し、
平成18年に南海電気鉄道から貴志川線を譲り受けました。
両備グループ会長の小嶋光信氏が自ら和歌山電鐵の社長になり、
貴志駅舎横のネコ小屋で飼われていたたまを売店の人の希望で、
貴志駅舎に住まわせることにして駅長に採用するなど、
次々と奇抜な発想で経営を持ち直し、
貴志川線を観光路線として再び活性化させました。
コロナ禍で一時的に利用客は減っていますが、
コロナ禍後はインバウンドで外国人観光客が戻ってくると思われ、
今後も鉄道アミューズメントとして発展していくと思います。



※このサイトのネコの写真はノンフラッシュ撮影で撮影しています。

14、貴志(きし)Kishi


貴志駅駅舎です。
開業来の古い駅舎が使われていたのですが、
平成22年に今の駅舎に建て替えられました。
駅舎はネコの形を模しており、
三毛猫の配色になっています。
紀の川市貴志川の市街地最寄り駅ですが、
駅自体は市街地の南の外れにあります。


駅舎は左右対称な構造で、
真ん中に駅の改札や待合室、
北側にたまミュージアム、
南側に売店と喫茶店があります。


貴志駅は無人駅です。
人はいますが、
売店・たまショップの店員や喫茶店・たまカフェの店員で駅員ではありません。
そのため、この駅では切符が買えません。
(回数券、企画切符のみは売店で買える。)
私も切符も何も持たずにこの駅から不安の中乗車し、
和歌山駅で精算しました。


んがっ!!貴志駅は無人駅ではありますが、
駅員はいます!!
有猫駅で、ネコ駅長がいます。


二代目貴志駅ネコ駅長のニタマです。
初代ネコ駅長のたまが平成27年に亡くなったため、
代理駅長だったニタマが駅長に昇格しました。
貴志駅付近の店でふらついていた野良猫のたまに比べると、
ニタマは上品な顔立ちをしています。
その上品的さと洋猫っぽさからニタマは平仮名表記ではなく、
カタカナ表記にしたそうです。
たまは貴志駅の南海電気鉄道の倉庫産まれた地元猫ですが、
ニタマは岡山出身の猫です。
岡山の国道53号線で車に轢かれそうになったのを保護され、
和歌山電鐵と同じ両備グループの岡山電気軌道に引き取られました。
その後、高齢のたま駅長の補助として、
和歌山電鐵に転勤してきました。
なお、たまもニタマもよんたまも三毛猫で、
三毛猫と言うことは当然3匹ともメスです。


駅長室が狭いという意見が多いのですが、
まあ、一般の飼われている日本のネコのゲージよりは広めです。
ネコ駅長の安全のために駅長室を無駄に広くは出来ないそうです。


〜これはネタです。〜
貴志駅前の地域情報ステーション「たまぷらざ」です。
公共的なインフォメーションセンターもネコ駅長の名前が入っているのが驚きです。
関東の人間はそれよりも、
東急電鉄田園都市線のとある駅を想像してしまい、
思わず笑ってしまいます。


初代ネコ駅長のたまの写真や、等身大の像、
制服などが飾られています。
たま駅長は廃線寸前の貴志川線を救った英雄として、
今でも人気がある、世界的にも有名なネコです。


貴志駅の車止めはホームから南に60メートル程の所にあります。
ホームから車止めの間は保線基地になっています。


保線基地にはレール運搬車などがあります。
東側の線は架線があり、
車両1本分(2両×1本)を留置できます。


貴志駅のホームです。
片面1線と、保線用側線が1線あります。
保線用側線の方は架線が撤去されてありません。


ホームには小さいお社が3つあります。
真ん中の社がたま大明神で、
鳥居の扁額には「たま」と書かれています。
初代ネコ駅長たまが祀られている神社です。


大明神になったたまは、お社の横で眠っています。
神域を表す御幣で囲まれています。


たま大明神を挟んで、摂社的にイチゴと玩具が祀られている社があります。


たま電車です。ひげだけでなく、耳付きです。


至る所に初代ネコ駅長のたまのイラストが描かれています。
一応、たまはメスなので、おっ○いをリアルに描かんでも・・・。


車内の壁にもたまのイラストがちりばめられて描かれています。
シートは三毛猫柄です。
戸袋部分にあるキャビネットはたまのフィギュア・・・ではなく、
何故かドラえもんのフィギュアが飾ってあります。

猫を求めて・和歌山電鐵貴志川線2

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