霧の神殿へ、三峰ロープウェイ1
※この路線は2007年11月末で廃止になりました。あらかじめご了承ください。
秩父鉄道三峰ロープウェイは、
大輪駅から三峰山頂間1.9qを結んでいる歴史の古いロープウェイです。
三峰山ロープウェイとも言われていますが、正式名称は「山」はないようです。
かつては三峰山に行く重要な交通手段として、かなりの利用客がいたようです。
しかし、三峰山への道路が開通した後は乗客が減り、
施設老朽化もあって、2007年11月末で廃止になってしまいました。
余談ですが、
「三峰山」と言う山は埼玉になく、雲取山・白岩山・妙法が岳
を総称して三峰山と言っています。
01、大輪(おおわ)Owa
大輪駅です。大輪駅は国道沿いのみやげ物店街から荒川を渡り、
少し登ったところにあります。
大輪駅付近はいかんせん駐車場が少なく、みやげ物店用の駐車場しかありません。
大輪駅駅舎の位置は、乗り場から見ると混雑時の乗客プール広場を挟んで、
反対側の反対向きにあり、とてもおかしな構造です。
これは歴史上こうなってしまったようです。
大輪駅下には竜門の滝があります。結構綺麗な水です。
三峰ロープウェイの時刻表です。
30分毎のローカルダイヤで、なんと17時(シーズンオフは16時30分)が最終です。
しかもシーズンオフ時は15時30分の便がなく、ここは1時間も間隔が開きます。
大輪駅駅名板は三峰山ロープウェイで、
時刻表は三峰ロープウェイ・・・、どっちかに統一してください。
大輪駅駅舎前の70分待ちの表示。
遊園地のように、ここから乗客プール広場に向かって「○○分待ち」の表示と、
整列誘導ラインがひいてあります。
三峰ロープウェイが最盛期だった頃の名残です。
大輪駅駅舎の隣には旧乗り場が現存しています。
開通時から昭和38年まではここが乗り場だったのですが、
多客化に伴う車両大型化が必要になり、今の乗り場に移転しました。
こうして見ると、今の搬器より小型のものが走っていたと推測されます。
改札窓口です。かなり歴史を感じさせます。
運賃は往復1650円で、ロープウェイの中では若干割高です。
また、大きな荷物を持っている人は更に料金がかかるようです。
冬場の大輪駅には電子コンロの囲炉裏があります。
大輪駅すぐ下の竜門の滝の水を沸かして作ったと思われるお茶が、
薬缶に入っていました。
三峰ロープウェイで使用されているロープが展示されていました。
東京製綱製のようです。
ちなみに支索は搬器を支えるロープ、曳索は誘導ロープで、
駆動輪側が曳索、搬器を挟んで緊張輪側が平衡索の構造になっています。
開通当時のポスターです。
三峰ロープウェイの開通は昭和14年で、ロープウェイの中ではかなり歴史があります。
所要時間8分は今と同じで、ダイヤが30分毎なのも変わっていません、
変化は、始発が8時から9時に繰り下げになったことくらいです。
大きく変わったのは運賃で、当時は往復90銭でした・・・。
今のお金に換算するとかなり高いと思われ、少なくとも1650円以上はあると思います。
当時の搬器は、旧乗り場から発着していて、デザインも結構先進的だったようです。
開通当時は今のように「ロープウェイ」と言う名称ではなく、
「旅客空中ケーブル」と呼ばれていたようです。
改札口です。懐かしい感じです。
搬器の定員は71名だそうです。
大輪駅の乗り場です。
乗り場は、大輪駅駅舎から半地下式の階段を降りたところにあります。
改札口から若干距離があります。
写真の搬器は「くもとり(雲取)」で、
もう一つの方は「きりも(霧藻)」と言う愛称が付いています。
どちらも三峰山一帯にある山の名前です。
「くもとり」という愛称の搬器は三峰ロープウェイだけでなく、
雲取山を挟んで反対側(東京都側)にあった、
小河内観光開発と言う今はなきロープウェイにもありました。
小河内観光開発の「くもとり」は今でも廃駅「川野駅」で見ることができます。
搬器の製造年は昭和39年で、日本車輌製です。
車内です。椅子は単なる腰掛状態で、座り心地は察しの通りです。
大輪駅を発車します。
三峰ロープウェイは、かなり搬器が高速で動きます。
古いロープウェイにしては意外です。
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