
カーブを縫って・東京メトロ日比谷線1
東京メトロ日比谷線(2号線)は、中目黒駅から北千住駅までの20.3qの路線です。
今までの銀座線と丸ノ内線は、第3軌条式で建設されましたが、
日比谷線は郊外路線の東武伊勢崎線と東急東横線の相互乗り入れを想定し、
1500V架線集電式で、軌間1067ミリで建設しました。
しかし、架線を従来のカテナリー式にするとトンネル断面が大きくなり、
建設費がかかってしまうと言う欠点がありました。
そのときの技師が悩んだ結果、第3軌条式で使っている第3軌条レールを横半分に切断し、
天井から吊るす剛体架線を考え出しました。
(最初はパンタグラフの離線率が高くなるという問題点がありましたが、
剛体架線やパンタグラフを改良し、追従性の良いものになったので、
今では各地の地下鉄で採用されています。)
日比谷線を建設する時、車両の長さを20メートルにして欲しいと東武は主張したのですが、
当時、営団地下鉄も東急も18メートル車主体だったのと、
日比谷線はカーブが多く、20メートル車の走行は不可能だと言うことで、
結局18メートル車を採用しました。
また、直通客は東武側より東急側の方が多いと想定していたので、
八丁堀駅から東急よりを8両対応、東武よりを6両対応にしました。
〜〜〜〜〜
日比谷線は都営浅草線と同じく東京オリンピックに向けて建設した路線なので、
開通時期もほぼ同じになっています。
昭和36年に南千住〜仲御徒町間が開通し、
当時は2両編成で運転していました。
開通時の触れ込みは「世界最新の地下鉄」でした。
車両も最新のステンレス(当時の記事はジュラルミン)無塗装電車で、
後の日比谷線のラインカラーのシルバーもこの電車からきています。
また、開通当初はATOの自動運転の試験も行っていました。
(信頼性がないということで南北線開通まで実用化はされませんでしたが。)
昭和37年には北千住〜南千住間と仲御徒町〜人形町間が開通し、
東武伊勢崎線との相互直通運転が開始されました。
営団地下鉄では初めて、東京の地下鉄では都営浅草線の次に開始された、
郊外線との相互直通運転です。
その後、日比谷線はオリンピックに向けて突貫工事で建設を進め、
昭和39年に全通しました。
しかし、その後高度経済成長が進むにつれ、
日比谷線の最初の規格がネックになってきます。
最初の「東武より東急の方が直通客が多い」という予想は見事にはずれ、
東急東横線からの直通客は渋谷駅を経由しないためあまり多くありませんでした。
逆に日比谷線の直通で便利になった東武伊勢崎線の方が人口急増で、
直通客がどんどん増えてきました。
日比谷線は東武からの客でパンク状態になり、
全駅8両対応にする工事を急遽行いました。
また、東急も東武も車両が20メートル車になって行く中、
日比谷線は18メートル車しか走らせられないので、
東急も東武も日比谷線用の車両を造らなければならないと言う欠点もでてきました。
北千住駅では、20メートル10両編成の東武準急(現・区間急行)から、
18メートル8両編成の日比谷線への乗り換え客で大混乱になり、
いつ事故が起きても分からない状態になっていました。
そのため、北千住駅の改良を行い、
日比谷線の補助として半蔵門線を押上駅まで延長し、
東武伊勢崎線と相互直通運転を開始したので、
最近やっと落ち着いたかんがあります。
なお、2013年3月より、東急東横線との直通運転は無くなった一方、
東武伊勢崎線の乗り入れ区間は東武動物公園駅から南栗橋駅まで延長されました。
また、長い間ネックになっていた日比谷線の18メートル車は、
一部トンネル内の構造や標識等を改良の上、20メートル車に置き換えました。
01(H01)、中目黒(なかめぐろ)Naka-Meguro

中目黒駅は2面4線になっていて、
外側を東急東横線、内側を東京メトロ日比谷線が使っています。
この駅は折り返し駅なので、祐天寺駅よりに引き上げ線があります。
中目黒駅折り返し電車は、2番ホームで降車扱いをし、
一旦引き上げ線に引き上げてから3番ホームで乗車扱いをします。

祐天寺駅よりの引き上げ線です。
引き上げ線は3本あります。
東急東横線の線路は日比谷線の引き上げ線のため、
外側にカーブしています。

中目黒駅の駅名板です。
東急電鉄が管理を行っている駅なので、
駅名板は東急標準ものになっています。

中目黒駅を出ます。東急東横線とともに急カーブを曲がります。

だんだんと、勾配をくだっていきます。
途中、保線用側線が分岐します。
この地点は、
平成12年に死者5名を出した日比谷線脱線事故を起こした事故現場です。
当時、この区間に脱線防止ガードはなかったのですが、
今はA線B線ともに脱線防止ガードを取り付けています。

今度は右カーブになり、トンネルに入ります。
02(H02)、恵比寿(えびす)Ebisu

相対式2線の駅です。
ホームは緩やかにカーブをしています。
線路部の天井はやや高いので、
剛体架線は支柱に取り付けた腕金に支持しています。
JR山手線、埼京線、湘南新宿ラインの乗換駅で、
乗り換え客が多くなっています。
恵比寿駅周辺は、
ヱビスビール工場跡地に恵比寿ガーデンプレイスなどができたため、
急速に発展しています。
なお、恵比寿駅から霞ヶ関駅までは比較的駅間距離が長く、
カーブも多くなっています。
03(H03)、広尾(ひろお)Hiroo

相対式2線の駅です。
近くには有栖川宮記念公園があり、
閑静な住宅地になっています。

広尾駅を出るとカーブが多くなります。
カーブを縫って・東京メトロ日比谷線2へ
川柳五七の電車のページ1へ戻る
川柳五七の電車のページトップへ
たわたわのぺーじトップへ

|