大特集・芝川水系の水力発電所5


ここからしばらくは王子製紙系の発電所が集中します。

TAKE8、王子製紙・熊久保
最大出力420kW/大正8年完成


王子製紙富士工場の発電所で一番上流にある発電所です。
建物は木造でかなり古いです。


熊久保発電所の導水管です。
上方の角度は急で、下方は緩くなっています。
導水管の太さは細めです。


発電所の建物から発電所間送電線が分岐しています。
線はかなり細いです。
注目は碍子で、中線は小さいピン碍子なのに対し、
左右の線は大きいピン碍子になっています。
碍子を統一していないのが面白いです。


熊久保発電所から出た発電所間送電線は川を渡り、東原発電所に向かいます。
ちなみに熊久保発電所の建物はつり橋を渡った川沿いにあります。


発電所間送電線の最初の鉄柱です。一応架空地線はありますが、
かなり変わった装柱です。
鉄道架線柱のような鉄柱に3線を三角配置し、
3連の耐張碍子で支持しています。


と、思ったら今度は小さいピン碍子支持です。
前の3連耐張碍子のような絶縁性はどこに行ってしまったのでしょうか・・・。


一つおかしなピン碍子鉄柱を挟むと、
(撮影したかったのですが個人宅内だったので出来ませんでした。)
次はもっとおかしな装柱になります。
これってすずらん柱になると思うのですが、三角配置になってなく、
曲線腕金の方には何も電線を支持していません。
曲線腕金に支持される筈の中線は、
下の横腕金に小さいピン碍子で支持されています。
左右の線は2連の懸垂碍子になっているのに、
なぜ中線はピン碍子なのでしょう・・・。
全く持って解釈できない装柱です。


次の送電線柱もやはりそうです。
ここは木柱になっていて、ローカル色が強まります。


あとおかしなすずらん柱が1〜2基続いた後、CVT区間になります。

TAKE9、王子製紙・東原
最大出力1,090kW/昭和30年完成


熊久保発電所からの発電所間送電線は、
この東原発電所に引き込まれています。
他の王子製紙の発電所の発電所間送電線を集中させ、
1回線の送電線にしている、メイン発電所です。


東原発電所はいくつか建物があり、
奥の方が変電所になっています。


東原発電所内部。地中から出たCVTが変圧器に繋がっています。


東原発電所から分岐している1回線送電線です。


こちらは東原発電所に引きこまれている2回線発電所間送電線です。
この線は的場第2発電所から来ています。
東原発電所付近はCVTになっています。
写真の電柱は避雷器に特徴があります。

大特集・芝川水系の水力発電所6

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