港北変電所と京浜変電所1

送電ファンにとって一番最難関の場所が、
港北変電所と京浜変電所周辺です。
架空送電線の路線数が多く、
中途半端な地中線もあるので追跡しにくいからです。
ここら辺の送電線網がこんなに複雑になったのは、
京浜工業地帯に川崎、東扇島、横浜などの火力発電所があるのと、
送電線を引き込んでいる工場が多いからです。
この複雑な送電線網は大正時代から既に形成されていました。

・・・と、言うわけで、ここら辺の送電線網を分析するのはかなり上級者だと言えます。




ごちゃごちゃな送電線路線図で申し訳ございません。
特集を2つに分ければ良かったのですが、
送電線のつながりの関係で、
分けることが出来ませんでした。
極力、変電所特集は上流側の変電所から行ないたいのですが、
送電線網が複雑でどれが上流側か分かりにくいので、
北側の変電所から順に特集したいと思います。


南武変電所はJR南武線の武蔵新城駅から南に歩いていくとある変電所です。
南武変電所の敷地内は南武変電所の他、
東京電力川崎支社高津別館の建物があります。


先ずは川世線です。
この送電線は千歳変電所と南武変電所を結んでいる送電線です。
「川世」とは南武変電所のある川崎市の「川」と、
千歳変電所のある世田谷区の「世」を合わせたものです。
両変電所を結ぶ送電線はこの他に千南線(後述)があるのですが、
両送電線の接続位置は1次側2次側間逆になっています。
このことから、両送電線は電圧が異なる事が分かります。


川世線の引き込み部です。
川世線は変電所の西側の1次側から接続しています。
引き込み部下に白いブロッキングコイルがあります。
南武変電所は一部以外在来方式の変電所なので、
引き込み部の後には断路器や遮断器があります。


変電所の西側から接続している送電線は川世線の他、
野川線があります。
この送電線は4回線の送電線で、
港北変電所から来ています。
上の2回線は写真の野川線23号鉄塔から引き込んでいます。


野川線の上の2回線の引き込み部です。
野川線23号鉄塔の高さが高いため、
引き込み部の鉄構は1段分高くなっています。


上の2回線は変電所南西側から引き込んでいます。
手前にケーブルヘッドがあり、
路線名不明の地中線が3回線分引き上げられています。


野川線の下の2回線は少し北上して、
野川線24号鉄塔から引き込んでいます。


下の2回線の引きこみ部です。
こちらの鉄構はさほど高くなっていません。


ケーブルヘッドで引き上げられた路線名不明の地中線の断路器と遮断器です。


写真左手前が地中線の遮断器(3×3台)、
その後が野川線の上の2回線の遮断器(2×3台)になっています。


遮断器の後は横母線の断路器です。
碍子は2連になっています。
後ろの方の位置がずれている断路器は、
野川線の下の2回線と川世線のものです。

港北変電所と京浜変電所2

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