北東京変電所と岩槻変電所1

50万ボルトを扱う超高圧変電所が出来るまで、
東京の外郭を固める最も重要変電所は、
27万5千ボルトの一次変電所でした。
その中でも東東京、北東京、中東京、電源開発西東京の各変電所は、
東京の外郭送電線上に位置している極めて重要な変電所でした。
昭和40年代後半から50年代にかけて、
更に外側を通る50万ボルトの外郭送電線が造られ、
東東京変電所は自ら新野田変電所に昇格、
中東京変電所は至近距離にあった新所沢開閉所を新所沢変電所に昇格、
電源開発西東京変電所は上流に新多摩変電所を建設、
そして、北東京変電所は少し離れた位置に新古河変電所を造り、
それぞれの一次変電所は変電所の主役の座から降りた(新野田変電所は除く)のですが、
今でもこれらの変電所は中継の変電所として重要な役割を担っています。
今回の北東京変電所は東京都内に直接向かう送電線が無く、
間に鳩ヶ谷変電所や京北変電所などを挟んだ間接路線で形成されているので、
比較的地味な存在なのですが、
昔あった猪苗代幹線が通っていた変電所なので、
意外と送電ファンの注目が高くなっています。






北東京変電所は埼玉県の白岡にあります。
最寄駅は東武伊勢崎線の和戸駅なのですが、結構歩きます。
車の場合は東武動物公園の西ゲートを目指し、
県道岩槻幸手線を走ると辿り着きます。


早速、この変電所を北東方向から反時計まわりに見てみたいと思います。
この変電所の北側は何れも27万5千ボルトの送電線が出入している一次側です。
その中で一番東側から出ているのが春日部線です。
春日部線は北東京変電所と京北変電所を結ぶ、
27万5千ボルト4導体の送電線です。
春日部線引き上げ部分だけは2導体になっていて、
計器用変成器に接続する線が分岐しています。
計器用変成器の先(写真手前側)に避雷器があります。


北東京変電所から北東方向に出た春日部線は、
1号鉄塔で直角に向きを変えます。
写真左隣の送電線は東京北線です。


春日部線は南東を目指します。
写真は春日部線の2号鉄塔です。
若干古めの鉄塔で、各々のアームが左右対称になっていません。


春日部線の隣では東京北線が出ています。
春日部線と同じ27万5千ボルトの送電線ですが、
2導体になっています。
引き上げ部は春日部線と若干異なっていて、
計器用変成器と避雷器への線は、
引き上げた後に分岐しています。


東京北線(写真手前)は北方向に出た後、
次の鉄塔でやはり直角方向に向きを変え、東方向を目指します。
なお、この向きが変わる部分の鉄塔は3001号鉄塔です。
東京北線は鉄塔番号がインフレナンバーになっています。


東京北線は旧・東東京変電所である、
新野田変電所に繋がっています。


新古河変電所から来ている、河北線1・2L号です。
「河北」と言う路線名は、
新古河変電所の「河」と北東京変電所の「北」を合わせものです。
何でこの線は「L」が付いているのか正確な理由は分からないのですが、
河北線は鉄塔番号(自至)と電気の流れが逆になっているのに、
回線の左右を修正していない(老番から見て左が2号線、右が1号線)ので、
回線番号を間違えないよう、
老番側から見て左側(left)が2号線だと言う事を示しているのではないのかと思います。


鉄塔の札も河北1、2L線になっています


河北線1・2L号は27万5千ボルトで4導体になっています。


河北線1・2L号の引き込み部です。
構成は春日部線の引き出し部とほぼ同じになっています。


河北線1・2L号の引き込み付近には、
計器用変成器やコンデンサなどが置かれています。


置かれているそれぞれの機器は、うっすらと錆が入っているので、
使用済みのものだと思います。

北東京変電所と岩槻変電所2

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