JR武蔵境変電所1
JR東日本は運転に使う電気の約6割を自社発電で賄っています。
発電所は新潟県の千手、小千谷、新小千谷の3水力発電所と、
鶴見線扇町駅傍の川崎火力発電所があります。
発電所で発電した電気はJR東日本の送電線を通り、
給電用変電所に向かい、
架空または地中送電線で各運転用変電所に給電しています。
JR武蔵境変電所は給電用変電所の一つで、
鐵道省時代からあるかなり古い変電所です。
また、この変電所に出入している送電線も鐵道省時代からの古豪路線ばかりです。
傍にあるJR中央線の高架化工事に伴い、一部GIS化してしまっていますが、
昔ながらの形態も見られます。
JR武蔵境変電所は、JR前久保・武蔵境線から来る電気を、
他の3路線に分配しています。
ただ、JR東日本の送電線はかなり地中化されているので、
この4路線の他に多数地中送電線が分岐していると思われます。
JR東日本の送電線は昔からの古くて電圧の高い送電線が架空線式で、
比較的新しくて電圧はそこそこの送電線は地中線式になっていることが多いです。
JR武蔵境変電所の入口です。
正式には「武蔵境交流変電所」と言うようです。
先ずはこの北西から来る送電線です。
JR前久保・武蔵境線です。
JR前久保開閉所からJR武蔵境変電所を結んでいる送電線ですが、
JR前久保開閉所は廃止になり撤去されたので、
事実上、JR岡部変電所からJR武蔵境変電所を結んでいる送電線になっています。
この送電線は新潟のJR3水力発電所から来る直系の送電線ですが、
発電所や変電所などの不測の事態のために、
東京電力の中東京変電所からも受電出来る様になっています。
この送電線の電圧は15万4千ボルトです。
長距離の鉄道用送電線の割りに電圧が低いです。
なお、余談ですが、映画「となりのトトロ」でネコバスが通った送電線は、
この送電線と言うことになっています。
JR前久保・武蔵境線の引き込み部分です。
回線ごとに2基の門型鉄塔で引き込んでいます。
手前に通信線があるのですが・・・、
通信線はJR武蔵境変電所から道路を隔てたところにある、
同変電所のアンテナに繋がっています。
変電所北側は1次側になっています。
JR武蔵境変電所の北側部分は断路器や遮断器の在来方式になっています。
引き込み後、計器用変成器などを通ります。
よく見ると地中に引き込んでいる線があります。
ガス絶縁開閉装置に繋がっているのでしょうか。
計器用変成器の前には避雷器があります。
左の断路器は遮断されています。
断路器です。お互いのバーをかみ合わせるタイプです。
JR前久保・武蔵境線の遮断器です。
一次側から北西側の二次側に送電線を分岐します。
絶縁油が入っていると思われるタンクと、
NR中性点接地抵抗装置が数台あります。
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