奥秩父変電所1

奥秩父変電所は埼玉県秩父市(旧・荒川村)にある変電所です。
送電ファンには殆ど注目されていない変電所ですが、
比較的昔からの形態を維持している変電所なので、
魅力的ではあります。




奥秩父変電所は細かい送電線路が出入しています。
分類すると、秩父の水力発電所系統の送電線と黒部幹線系統の送電線、
秩父地域の送電線で構成されています。


奥秩父変電所はそこそこ広い変電所です。
写真左の送電線は黒部幹線で、右は奥秩父線です。
今は路線名が異なりますが、かつては同じ「黒部幹線」でした。


奥秩父変電所に来ると、
この送電線を間近で見ることが出来ます。
そう、烏帽子(えぼし)型鉄塔で有名な安曇幹線です。
安曇幹線は烏帽子型鉄塔の代名詞的路線ですが、
新秩父開閉所〜新所沢変電所間は休止中になっています。


烏帽子型鉄塔は降雪地帯の1回線送電線でよく使われます。
そのため、比較的北陸や東北地方では当たり前に見られます。
しかし、首都圏では・・・と言うとこの安曇幹線のみです。
そのため、事実上烏帽子型鉄塔で日本一有名な路線はこの安曇幹線になっています。
なお、送電ファンは親しみをこめて烏帽子型鉄塔を「ネコ鉄塔」と呼んでいます。
(でも、私は「鬼鉄塔」と呼んでいますが・・・。)


安曇幹線は奥秩父変電所のすぐ横を通るので接続していると勘違いしてしまうのですが、
安曇幹線は奥秩父変電所には接続していません。


まずは黒部幹線(写真真ん中)です。
かつて黒部幹線は富山県黒部市(旧・宇奈月町)の新愛本変電所から、
神奈川県横浜市鶴見区の京南変電所(現・東京電力の技術開発本部)
までの長距離を結んでいた送電線だったのですが、
細かく分断されてしまい、
今は長野県信州新町の新町(水内)開閉所から、
この奥秩父変電所までの区間になってしまいました。


黒部幹線の引き込み部分です。一旦、引き下げます。


計器用変成器にはブロッキングコイルが被せてあります。
手前は避雷器です。


避雷器からアースが数本出ています。
札には「黒部幹線1号LA」と書いてありますが、
LAとは避雷器のことです。


後ろは断路器とガス遮断器です。


ブッシングや計器用変成器が置かれています。
ブッシングには「変流器」と言う貼り紙がしてあったので、
変流器のブッシングかと思います。
少し痛んでいるので前に使っていたものだと思われます。


これも何かのブッシングかと思うのですが何でしょう?
東芝のロゴは確認できるのですが・・・。

奥秩父変電所2

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