
江東変電所と葛南変電所5


江東線は江東変電所まで繋がっています。
27.5万Vの架空送電線としては、一番東京都心部近くまで行きます。
途中、旧江戸川と荒川の上を通るのですが、
そのうち、旧江戸川の所で平成18年にクレーン船が送電線に接触して断線し、
千葉県市川、浦安、東京都心部、川崎西部で大停電を起こしたのはご記憶に新しいと思います。
写真は荒川の上を行く江東線(写真一番右の線)です。
江東線の横には葛西水再生センター線(写真真ん中の線)と、
南小松川線(写真一番左の線)が通っています。
葛西水再生センター線と南小松川線は共に地中線なのですが、
川底の下に送電線を通すと建設費が嵩んでしまうため、
荒川を渡る部分だけ架空送電線になっています。
なお、地中2路線は江東線と電気の流れが逆です。

荒川を渡る3路線のうち、
何故か一番重要な江東線が一番高さが低く、
ドナウ配列になっています。
荒川の真ん中にある鉄塔を高くすれば良いのですが、
荒川の水が流れている部分にある鉄塔なので、
交換新設が難しいのだと思います。

葛西水再生センター線と南小松川線は単導体のため、
荒川河川に吹く風による電線の揺れが激しくなります。
そのため、電線にダンパを沢山つけています。
また、架空地線にも白い球状のダンパを付けて揺れを防止しています。
(白い球状ダンパは、航空機に送電線の位置を知らせるために設けるそうです。)
風と雪で起こるギャロッピングによる電線接触事故対策もしてあると思います。
葛西水再生センター線と南小松川線の鉄塔の高さは同じなのですが、
両方とも紅白塗装すると費用がかかるため、
南小松川線のみ紅白塗装されています。
葛西水再生センター線は路線名から、
葛西臨海公園の北西側にある葛西水再生センターに繋がっている路線だと分かります。
一方、南小松川線の方はどこに繋がっているのかよく分かりません。
南小松川変電所と言う配電用変電所があるのかと思ったのですが、
探したところ、そのような変電所は無いようです。
東電の地中送電線の場合、行き先と路線名がブレることが少ないのですが、
架空送電線と路線名が被る恐れがある場合、
経路途中の地名などを路線名に入れたりします。
「小松川地区の南」に小松川変電所があり、
そこに架空送電線の小松川線が接続していること、
そして、小松川変電所に予備系統が無いので、
おそらく、南小松川線は小松川変電所に繋がっているのだと思います。
なお、葛西水再生センター線も南小松川線も、
途中にビルや工場などの大需要家があるので、
途中から分岐する細かい地中線がかなりあると思います。

荒川の江東区よりの3送電線です。
やはり江東線だけドナウ鉄塔になっています。

江東線はこの鉄塔から何故か2導体から4導体に変わります。

そして、回線ごとに分かれ、江東変電所に引き込まれます。

江東線の江東変電所引き込み部分です。細いH鋼柱が使われています。
ちらっとガス絶縁開閉装置が見えますが、
壁や建物が邪魔していてよく分かりません。

葛西水再生センター線は江東変電所内の2号鉄塔で地中から送電線を引き上げています。
1号鉄塔は江東変電所を改良した時欠番になったようです。

葛西水再生センター線の引き上げ部分です。
道路半分が清掃会社の資材置き場に占有されていて、
(この道路、資材を置いている清掃会社の土地ではないと思います。
ちゃんと道路占有許可を出しているのでしょうか?)
近くで見ることが出来ません。

南小松川線は引き上げ位置は葛西水再生センター線よりやや西側にあります。
引き上げの1号鉄塔は門型になっています。

そして、2号鉄塔を通り・・・、

3号鉄塔で葛西水再生センター線の2号鉄塔の横に並びます。
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