新多摩変電所と西東京変電所1
今でこそガス絶縁開閉装置で
省スペースの大出力変電所が建設出来るようになりましたが、
昔はある程度の広さがないと、
大出力でかつ多系統の送電線を扱う変電所を建設する事が出来ませんでした。
東京都の場合、殆どが住宅地で大きな変電所を作るのが困難なため、
重要な変電所は周囲の県に建設していきました。
しかし、東京都八王子西部の山地はそこそこ土地があったため、
東京都では珍しく超高圧変電所の新多摩変電所が建設されました。
GIS導入の完全屋内&地下式変電所の新豊洲変電所が出来るまで、
新多摩変電所は東京都唯一の超高圧変電所でした。
一方、西東京変電所は電源開発(Jパワー)の変電所で、
北からの只見幹線と南からの佐久間東幹線、
そして、東電の東京西線、港北線、京浜線を中継する非常に重要な変電所です。
今回はこの2つの変電所を中心に特集いたします。
西東京変電所は図のように出入路線が多いのですが、
2009年5月の図のため、
現在は変わっている可能性があります。
新多摩変電所は東京都八王子市にあります。
・・・と言っても八王子の西北の外れの山の中にあり、
八王子市街地から10キロメートル以上離れています。
八王子市街地よりあきる野市五日市の市街地の方が近く、
最寄り駅もJR五日市線の武蔵五日市駅になっています。
武蔵五日市駅から変電所近くの今熊山登山口までバスで行けますが、
バスの本数が少ないので、間が悪い時は歩いた方が早いです。
山の上にある変電所は麓の入口で閉鎖されていて取材困難な所が多いのですが、
新多摩変電所は変電所周囲が遊歩道になっているため、
意外と簡単に訪れる事が出来ます。
さて、変電所西北側から見て行きます。
先ずは新所沢線です。
この送電線は新多摩変電所と新所沢変電所を結んでいる
50万ボルトの送電線です。
写真の1号鉄塔は最近建て替えたようで、
管型の環境塗装鉄塔になっています。
新所沢線1号鉄塔には昇降機が付いています。
新所沢線引き出し部です。
新所沢線は変電所敷地西北側から出ています。
1号鉄塔は変電所より高い位置に建っているため、
電線はやや上向きになっています。
引き出し部と新所沢線1号鉄塔です。
こうして見ると双方の高低差が分かります。
引き出し一番手前に計器用変成器、避雷器があります。
その後に大型断路器があり、
更にその後に別の計器用変成器があります。
遮断器は長いV字ブッシングのものが使われています。
鉄構から遮断器に母線が引き下げられ接続されています。
その後は避雷器や断路器が母線ごとに所々あります。
再び断路器です。
写真で見ると分かりにくいのですが、
実際に見るとかなり大きくて圧倒されます。
碍子は円錐に組まれ、その上にバーと操作ハンドルがあります。
断路器のバー噛み合わせ部分です。
バーは太く、噛み合わせ部分も大きいです。
こちらの断路器は遮断されています。
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