千歳変電所と和田堀変電所1
はじめまして、送電ファンの川柳五七と申します。
今回は変電所の特集ですが、
変電所とは、高圧で送られてきた送電線の電圧を下げたり、
落雷や災害などが起こったとき、
送電系統を切ったり、切り替えたりするところです。
変電所は超高圧変電所、一次変電所、
中間変電所、配電用変電所に区分されていますが、
一次変電所でも超高圧送電線を変電していたり、
配電用変電所機能(局配)も備えていたりしていて、
明確には分類されていません。
変電所は東京電力管内でも1600箇所以上あり、
その他、工場用変電所、ビルディング用変電所、鉄道変電所などを含めると、
膨大な数になります。
しかし、関東在住の送電ファンが実際によく取材する変電所は10箇所前後しかありません。
しかも、よく取材対象になる変電所は埼玉西南部と東京都多摩地区が殆どです。
理由は送電ファンの住まいが埼玉西南部と東京都多摩地区に集中していることもあるのですが、
送電ファンの重鎮、JAMMIT氏や荒畑氏の取材スタイルが今でも続いていると言うことです。
両氏は送電線関係の取材を昔からある水力発電所系統の送電線に絞っています。
送電線路が結構ある神奈川県や千葉県が取材対象にならないのは、
水力発電所からの主要な送電線路が殆ど無かったからです(神奈川県は塔ノ沢線くらい)。
上の変電所を分類すると、以下の重幹線ごとに分類できます。
中東京幹線系・中東京変電所/武蔵野変電所
安曇幹線系・(新秩父開閉所)/新所沢変電所
只見幹線系・新坂戸変電所/南川越変電所/南狭山変電所/多摩変電所/西東京変電所
群馬幹線系・南川越変電所
黒部幹線系・南川越変電所/京北変電所/(京南変電所跡地)/(青梅・豊岡・昭島などの各変電所)
甲信幹線系・府中変電所/和田堀変電所
なんとなくお気付きになると思いますが、
昔からの水力発電所は群馬県や山梨県に多く、
また、信濃川や安曇地方、黒部川にも水力発電所があります。
「そこから東京に送電線を建設する」となると、
どうしても西多摩地区や埼玉県を経由することが多くなるのです。
これが送電ファンの趣味対象になる変電所の偏向に繋がるのです。
今回は、その中でも一番東京に近い、和田堀変電所とその上流にある変電所、
千歳変電所の特集です。
ここも結構メジャーなところで、多くの送電ファンが訪れています。
これはおそらく東京から近いと言う立地の良さが関係しているのだと思います。
ただ、変電所は都市部と言うことでGIS化地中化屋内化が進んでいて、
趣味観点から見ると面白みがだんだんとなくなっている変電所群だと言えます。
そのため、訪問は早めにした方が良いかもしれません。
千歳変電所、和田堀変電所周辺の送電線は歴史上紆余曲折した関係で、
送電線の路線名と経路があっていないところが多く、
「追跡しないとどこにいく送電線か分からない」路線が多いです。
高井戸変電所を通らない高井戸線、
北多摩変電所を通らない北多摩線、
久我山線にいたっては久我山地区すらかすっていない状態です。
なお、上の図は調査で判明している路線だけで、
細かい配電用変電所に行く地中線はこの他にも沢山あります。
今回の特集はこの大きな門型鉄塔から始めます。
(下の線路は西武多摩川線で、
この鉄塔は新小金井駅と多磨駅の間にあります。)
左から国分寺線、右から車返線が来て、
この門型鉄塔で南に進路を変え、写真手前に向かいます。
その上で、左から右に久我山線が通っています。
国分寺線は多摩変電所から車返変電所方面(北多摩変電所)に行く線なので、
この特集では関係ない路線です。
今回は、久我山線と車返線に焦点をしぼります。
・・・で、久我山線と車返線どちらからにしようか迷うのですが、
とりあえず久我山線から特集したいと思います。
久我山線はしばらく車返線と併架しますが、
途中で中富線にのりかえます。
その久我山線。調布変電所手前で妖しげな1回線送電線を分岐します。
航研線と言う路線です。
航研線は短い路線ですが、
鉄塔のバリエーションは複数あります。
この送電線は航空宇宙技術研究所の変電所に向かっています。
終端部は大きな変電所と小さい変電設備(?)の二方向に送電線を分岐しています。
しかし、この変電所、航空宇宙技術研究所の敷地内にあり、
よく見えません。
かろうじて架空地線と1台の変圧器がチラ見出来る程度です。
(これだけを見るだけで1時間も歩いたのですが・・・。)
建物の間からちらっと見える変圧器です。
空中写真を見ると、変圧器は4台あるようです。
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