風の地形形成
風による地形形成は、主に樹木の少ない砂漠地帯などで見られます。
日本においては樹木が多く、風の力が樹木によって遮られるため、
地形を形成するほど大きな力にはならないのですが、
海岸や畑など樹木が少なく、強風が吹く地域では、
風による地形形成も見られます。
1、風食
風食は風で岩石が削られることを言うのですが、
これは微妙に間違いで、
風本体ではなく、風に含有している土砂粒子が岩石を削っています。
これをウインドアブレージョン(コラージョン)と言います。
激しく研磨されることにより、岩石が砂として削れ、
風に乗っていきます。
風に乗った砂は少しずつ、地面に砂を振りまいていきます。
これを降砂と言います。
湿潤気候の場合、降砂して砂が積もっても、
雨などが砂を流してしまうので堆積しにくいのですが、
乾燥気候の場所ではどんどん砂が堆積してしまいます。
この砂が堆積した砂地を一般的に「砂漠」と言います。
砂漠化が進むと一部の乾燥に強い植物以外の植物が育たなくなり、
根も張らないので土壌の保湿力が無くなります。
そうするとますます乾燥化、砂漠化が進んでしまいます。
つまり、砂漠化を防ぐには、如何にこの風食を防ぐかが課題となります。
風食は岩石を削る場合の他、
風が土壌の砂を舞あげる(土壌を削る)場合もあります。
これをデフレーション(経済用語とは関連ありません。)と言います。
土壌が風で舞あげられるのは乾燥した砂漠が多く、
その他、畑などでも起こります。
また、土壌の岩石の質によっても
舞い上がりやすいものと舞い上がりにくいものがあります。
デフレーションを防ぐには、土壌を湿潤させるのが一番なのですが、
畑などでは態と雑草を生やしたり、
デフレーションが起きやすい乾燥時期に別の作物を育てたり、
網を被せたりしています。
実はこのデフレーションは日本でも人ごとでは無く、
中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠の砂が吹き上げられ、
はるばる日本まで運ばれて来ることがあります。
これらの砂を「黄砂」と言い、
視界不良になったり、
アレルギーなどの健康被害を引き起こす原因となっています。
残念ながら中国政府は砂漠化問題を解決する意思がないため、
今後、ますます被害が拡大する可能性があります。
2、砂丘
日本における砂丘は、主に海岸近くで形成される「海岸砂丘」です。
勿論、砂が堆積しやすい砂浜海岸で形成されやすく、
岩石海岸では形成されません。
また、植物などの障害物が無く、
風通しが良い所に形成されます。
海岸から吹き上げられた砂が積み重なったのが砂丘です。
海岸線が海側に前進している場合(陸側から見ると後退)は、
並行して幾重にも砂丘が形成されます。
新しい砂丘は砂だけで、植生も無いのですが、
海岸線の海側への前進や、湿潤などで砂丘が固められ、
植生も見られるようになります。
これを固定砂丘と言います。
鳥取砂丘も徐々に固定砂丘化されており、
将来的には今のような砂地剥き出しの丘は見られなくなると言われています。
砂丘の形は大きく分けて、バルハン砂丘、横列砂丘、縦列砂丘に分かれます。
バルハン砂丘はくさび状に砂丘が形成されるタイプで、
各々の砂丘は独立して存在しています。
逆に、各々の砂丘が近くて繋がったような砂丘を、
横列砂丘と言います。
一方、縦列砂丘は筋状に砂丘が並行して形成されるタイプです。
各々の形成の違いは、
バルハン砂丘を基準にすると、
供給される砂の量が多くなると横列砂丘になり、
吹く風が強くなると縦列砂丘になります。
なお、鳥取砂丘は横列砂丘に近いバルハン砂丘になっています。
(日本で有名なのが鳥取砂丘なので、鳥取砂丘を挙げていますが、
海岸砂丘は日本各地の海岸線で見られます。)
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