地図の標高計測
等高線上や基準点上の標高を測るのなら正確に数値が出るのですが、
殆どの場合、そういうところの標高を計測しないと思います。
じゃあ、任意のところの標高を知りたい場合はどうするかというと、
等高線や基準点の標高数値を用いて合理的に計算するしかありません。
勿論正確な数値は出ませんが、
使用する地図の縮尺を大きくしたり、
計算に用いる基準点数を多くしたりすることで限りなく正確な数値に近付けることが出来ます。
1、斜面等の標高計測
山岳部など密に等高線がある場合は、
等高線の数値を求めて比で計算できます。
上の図の場合、求める点(求点)の前後の等高線の標高数値を測ります。
そうしたら、下の等高線から求点、求点から上の等高線の長さを測ります。
この場合、等高線と求点の長さが一番短くなる所を測ります。
(等高線と求点の長さが長くなると当然誤差が大きくなります。)
なお、等高線はメートル単位で表示されていますが、
下の等高線から求点、求点から上の等高線の長さの測る単位は、
センチメートルでもミリメートルでもフィートでもヤードでも何でも構いません(・・・また?)。
ただし、単位は揃えてください。
(図では分かりやすく等高線5本おきにある計曲線を使っていますが、
実際は求点に一番近い主曲線または計曲線を使った方が誤差が小さくなります。)
測り終わったら、以下の式に代入すると標高が出ます。
(下の等高線から求点の長さ×(上の等高線の標高−下の等高線の標高)
÷(下の等高線から求点の長さ+求点から上の等高線の長さ))+下の等高線の標高
「何だかこの式、経緯度計測の計算に似ているぞ!」と思われたかもしれませんが、
これは経緯度計測と同じ比で考えているからです。
2、都市部の標高計測
都市部は殆ど高低差が無いため、
等高線の間隔がものすごく広くなります。
また、住宅等が建てこんでいる場合、
等高線を省略している場合が多いです。
そのため、等高線での標高計測は不可能です。
そういう場合、水準点や三角点などの基準点の標高数値または、
その他の標高点の標高数値を用いて標高計測をします。
標高を求める求点に近い基準点等を数点選びます。
基準点等の数は多いほど正確な数値に近くなりますが、
計測や計算が大変になるので、
概ね3〜4点が良いかと思います。
選んだ各々の基準点等と求点の長さが同じような感じの場合、
単純にその基準点等の標高の平均を求めれば良いのですが、
各々の基準点等と求点の長さがバラバラの場合、
単純に平均すると誤差が大きくなります。
これは、求点に近い基準点等の標高と求点から遠い基準点等の標高を比べた場合、
求点に近い基準点等は求点の標高に近くなり、
求点から遠い基準点等は求点の標高と隔たりがあるからです。
なので、各々の基準点等と求点の長さがバラバラの場合は、
それぞれの数値に重量を掛けて平均化する方法を使います。
で、手順なのですが、
各々の基準点等から求点の長さを測ります。
測る単位はセンチメートルでもミリメートルでも・・・くどいので省略します。
上の図の場合、3p、2.5p、2pになったので、
その3つの数字を合計します。
そうすると、7.5になります。
今度は7.5を各々の長さで割り、それを合計させます。
上の図の場合9.25になります。
そうしたら、それぞれの標高×それぞれの長さの合計/それぞれの長さを計算し、
それを合計させます。
上の図の場合、
100×7.5/3+102.5×7.5/2.5+101.2×7.5/2になります。
そうしたら、先ほどの9.25で割れば、
求点の標高が出ます。
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