地図の種類
地図を使うときは何かしらの目的があると思うのですが、
(地図をただ眺めるだけの観賞目的も含む)
その目的にあった地図を選ばないと、
誤解や誤計測をしてしまう可能性があります。
また、誤解や誤計測がなくても使いにくい場合があります。
そのため、地図の種類を知る必要があります。
1、一般図と主題図
一般図とは一般の地図です・・・、と書くとお怒りになるかと思いますが、
一般図とは特定の目的を限定しない多目的に使える地図のことです。
なので、ふつーの地図と言うことです。
国土地理院発行の地形図などは一般図に当たります。
一方、主題図とは特定の目的に使う地図で、
目的(主題)を特に強く表現した地図のことを言います。
主題図には土地利用図や地質図、道路地図、住宅地図、観光地図など色々あります。
つまり、一般の書店などで売られている民間発行の地図の大部分は主題図だと言えます。
また、学校で使う社会科の地図は殆ど主題図で構成されています。
一般図なのか主題図なのか分からない、
多目的に使えるけど一定のものを強調した地図は特殊図に分類され、
立体地図などがこれに当てはまります。
立体地図は立体と言うことを強調していますが、
「立体」と言う情報は限定使用でなく、多目的に使えるからです。
2、地図の形式
目的にあった形式の地図を選ばないと計測や読図がしにくい場合があります。
●a,一枚で構成された平面の地図
一枚構成の平面地図は切図、集成図、全図などがあります。
「切図」と書くと分かりにくいのですが、
緯度経度や座標値などで地図の区画を決めた地図を切図と言います。
それに対し、「東京」や「北アルプス(飛騨山脈)」など、
切図の部分部分を取り出し接合して、
一定の場所を収めた地図を集成図と言います。
全図とは「世界地図」「日本地図」など対象地域すべてを収めた地図を言います。
一枚構成の平面地図は一枚で済むので見やすく、
計測もしやすい利点がありますが、
広げると大きな紙になる地図が多く、
いちいち折りたたんだり、広げたりする手間があります。
また、保管もしっかりしておかないと、
破れたり汚れたりしやすいです。
●b,地図帳(アトラス)
本の形式にした地図を地図帳と言います。
1枚構成の地図だと掲載地域が限定されてしまいますが、
地図帳なら広範囲を扱うことが可能です。
ただ、地図帳には「のど」と言うぶぶんがあり、
そこを中心にページが円弧状に波打つので計測などはしにくく不向きです。
特に「のど」の部分の余白が小さいと、
左右2ページにわたる地図の場合、殆ど「のど」の部分の計測は出来ません。
ただ、この「のど」の部分のリスクを小さくしたルーズリーフ形式のものもあります。
●c,その他
1枚構成でも実際の凹凸を表現した立体地図などはこの分類に入ります。
立体地図は折り畳みが不可能で、持ち運びも面倒です。
ただ、実際の地形の形状はよく分かります。
3、目的と図法
意外と地図を購入する際に見落としがちなのが図法で、
目的に合わない図法の地図を選んでしまうと、
誤解や誤計測を招いてしまいます。
大縮尺図で狭範囲を扱うのなら誤差は小さいのですが、
縮尺が小さくなり、広範囲の計測になると、誤差が大きくなります。
そのため、地図を購入する際、
正距図法なのか正角図法なのか正積図法なのか確認する必要があります。
市販の地図で図法の記載が無く、
「この地図は承認の上、
国土地理院発行の2万5千分(5万分)の1地形図を使用したものです。」
と、書いてあった場合、
故意に歪曲表現しない限り、
「ユニバーサル横メルカトル座標のガウス・クリューゲル図法」、
つまり正角図法になります。
ユニバーサル横メルカトル座標は6度の経度ごとに分けているので、
距離の誤差も小さい(中央経線からの距離が小さいので)のですが、
「国土地理院発行の2万5千分の1地形図を元に作成した500万分の1日本全図です。」
と言う無謀な地図の場合は誤差を覚悟しなければなりません。
(日本だけでも4ゾーン「経度6度×4=24度」程入ります。)
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