円筒図法
1、円筒図法の種類
円筒図法は、円筒のかぶせ方で分類が出来ます。
●a,正軸円筒図法
円筒の上面と下面の中心を結ぶ線が地球の地軸と一致する円筒図法を、
正軸円筒図法と言います。
また、正軸円筒図法は更に2つに分類でき、
地球の表面と接する円筒図法を正軸接円筒図法、
地球と交わる円筒図法を正軸割円筒図法と言います。
正軸接円筒図法
正軸割円筒図法
●b,横軸円筒図法
円筒の上面と下面の中心を結ぶ線が地球の地軸と直交する円筒図法を、
横円筒図法と言います。
測量座標などはこの横円筒図法を使っています。
●c,斜軸円筒図法
円筒を斜めに被せて投影する図法を斜軸円筒図法と言いますが、
これはあまり使われていません。
2、正軸円筒図法の分類
●a,正方形図法
正距接円筒図法とも言い、世界全図に主に使います。
経線の長さを実際の距離の比率と同じにする図法です。
なお、正方形図法は接円錐図法です。
●b,長方形図法
正方形図法と同じく、経線の長さを実際の距離の比率と同じにする図法です。
違いはこの図法は割円筒図法と言うことです。
なお、割円筒図法のため、経線の間隔が狭くなり、
経線と緯線で出来る図形が長方形になります。
●c,ラムベルト正積円筒図法
地球上の面積と地図上の面積を等しくするようにした円筒図法で、
接円筒図法です。
高緯度の歪みが大きいと言う特徴があります。
●d,ベールマン図法
ラムベルト正積円筒図法と同じく、
地球上の面積と地図上の面積を等しくするようにした円筒図法で、
割円筒図法です、
●e,メルカトル図法
地図ファンでなくても名前だけは知っている有名な図法で、
色々な地図に使われている正角図法です。
メルカトル図法は、接円筒図法と割円筒図法の2種類あります。
なお、この図法は船の航路線を直線で表すことが出来るため、
海図は必ずこの図法を用います。
ただ、この図法は致命的な欠点があり、
極に近くなると図が大きくなり、極が投影できないと言うことです。
●f,ミラー図法
メルカトル図法の改良版で、
極が緯線の直線として表現できるようにしています。
この図法は接円筒図法のみです。
3、横軸円筒図法の分類
●a,正距横円筒図法(カシニ・ゾルドナー図法)
横軸方向が正しい長さになるように投影する横軸円筒図法です。
●b,ラムベルト正角円筒図法
地球上の角度と地図上の角度を等しくなるように投影する横軸円筒図法です。
別名、横メルカトル図法と言います。
●c,ガウス・クリューゲル図法(ユニバーサル横メルカトル図法)
正角図法で、
地球を球体としてではなく、回転する楕円体として投影した図法です。
地形図や地勢図などの大縮尺図や中縮尺図に一般的に使われているだけでなく、
世界座標として用いられている、
ユニバーサル横メルカトル座標(UTM座標)の基本となっています。
UTM座標とは、地球を経度6度毎に分け(ゾーン)、
そのゾーンの中央の経線と赤道の交わる点を原点として、
そのゾーン内をガウス・クリューゲル図法で投影する方法です。
日本の平面直角座標の基本もUTM座標で、
国土をいくつかの座標系(現在・19座標)に分けて、
その範囲をガウス・クリューゲル図法で投影しています。
ただ、座標の原点を赤道と中央経線の交点とはせず、
その交点からそれぞれの座標の原点までの経線の長さを引いて(マイナスして)います。
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