地図投影とは2

5、北

「北」と言うと、方位磁石の指す方向、北極星のある方、
地図では上の方とか色々考え付くと思いますが、
実は北の概念は複雑で、色々な「北」があります。

●a,真北

真北とは、経線の北をさします。


●b,方眼北

平面直角座標のX軸の方向を方眼北と言います。
(注・平面直角座標はX軸が縦軸で、Y軸が横軸と一般の数学と異なっています。)

●c,磁北

方位磁石の指す北を磁北と言います。
真北とは誤差があり、
厳密に言うと方位磁石は北を指していないと言えます。

6、地図投影の2つの方法

地図投影は先のページで書いたとおり、
3次元の球面を2次元の平面に写し取ることなのですが、
そのやり方には2つの方法があります。

●a,ある一点を基準にする方法

基準点など経緯度の分かる一点を、
平面座標値に換算する方法です。
これは主に測量で使います。

●b,経線緯線を平面に換算する方法

経線と緯線の交点の経緯度を基準に各点の平面直角座標を求めて、
それを平面状に写し取る方法です。

地図では後者の方法が使われます。
これは、地図に応じて各点の座標を適宜求められるからです。
前者だと、基準点の設置密度に左右されてしまう欠点があります。

7、目的による図法の分類

距離も方角も面積もすべて正しい地図は作れないと、
先のページで述べました。
ですので、地図の使用目的に応じて、
それぞれの図法があります。

●a,正距図法

地球上の距離と地図の縮尺倍の距離が一致する図法です。
しかし、すべての方向の距離が正しいわけでなく、
決められた線だけという制約があります。

●b,正角図法

地球上の角度と地図上の角度を等しくする図法です。

●c,正積図法

地球上の面積と、地図上の縮尺倍の面積が一致する図法です。

なお、正距図法は正角図法または正積図法と組み合わせられるのですが、
正角図法と正積図法は組み合わせできません。
正距
正角
正積
正距
-
正角
-
×
正積
×
-

8、投影方法による図法の分類

地図の投影方法によっても分類ができます。

●a,方位図法

地球上に仮想の平面をあて、そのまま投影する方法です。


●b,円錐図法

地球に仮想の円錐をかぶせて投影する方法です。


●c,円筒図法

仮想の円筒の中に地球を入れて投影する方法です。


●d,便宜図法

上の3種類を使わず、適宜な方法で投影した図法を便宜図法と言います。

方位図法

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