平板測量
平板測量は地図の原図を作る測量ですが、
小縮尺図や中縮尺図は、写真測量が主体となったため、
現在この測量は、主に大縮尺図を作るための測量になっています。
今まで平板測量は電子的・機械的なものはあまり使わず、
平板やアリダード、目標板と昔ながらの機材を使って測量していたのですが、
最近は電子平板測量の登場でデジタル化しつつあります。
1、平板測量の縮尺
平板測量で作る地図はかなり縮尺の大きい地図で、
1:5000から1:20と言う驚異的なものまであります。
そのため、図式規定に載っている地図記号はかなりの数になり、
地図ファンにはよだれをダラダラたらすくらいの素晴らしい内容です。
ぜひ図式規定を手に入れたら見てみましょう。マンホールや電柱の記号まであります。
2、平板測量の内容
平板測量は観測地点に平板を水平に据付け、
図面上の据え付け位置(図では「図上の平板の位置」にある赤い丸)に測量針を刺します。
次に目標に目標板付きポールを立て、
アリダードの視準孔をのぞきながらポールと視準糸の位置を合わせます。
あわせたら平板とポールの距離を測り、
図面の縮尺に換算した位置(図では「図上の目標点」にある赤い丸)に測量針を刺します。
目標がたとえば電柱だったら、
そこが図面上の電柱の位置になります。
このようにして、周りにあるものをどんどん図面上に記していきます。
もちろん、一箇所では図面全部をカバーできないので、
何箇所か平板を設置しなおして、地図を仕上げていきます。
ちなみに上の図のマンホールで言うと、
平板からマンホールまでの距離がL1メートルで縮尺1:Mだったとしたら、
図面上の距離L2は、L1/Mで求められます。
100メートルで縮尺1:1000だったら、100/1000で、
0.1メートル、つまり10センチメートルになります。
等高線(等しい高さを結ぶ線)も同じく平板測量で図面上に入れていきます。
原理は水準測量と同じです。
図の例で見ると、地面から平板の高さが1メートルで、
平板の標高が95.5メートルだった場合。
ポールについている目標板の位置が0.5メートルのとき、
視準線と目標板が合致した箇所が96メートルで、
ポールについている目標板の位置が1.5メートルのとき、
視準線と目標板が合致した箇所が95メートルです。
合致したら縮尺で割って、同じく測量針を刺し、図面上の標高点を確定します。
これを何箇所もやり、同じ高さの標高点を線で結ぶと等高線になります。
3、電子平板
今までのは普通のアナログ平板測量の説明で、
最近は電子平板と言うのが登場しています。
電子平板はトータルステーションとノートパソコンを連結して、
ペンタブレットを使ってCADの画面に書き込んでいくものです。
地図記号もメニューから取り出せるので、
いちいち図式規定を取り出して見る必要が無く便利です。
コンピュータの長所を生かし、GISデータを取り込むことも可能で、
観測結果の照査も可能です。
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