地図編集

地図編集は測量の中で唯一「測量」がつかない測量で、
写真測量で作った実測図や基図を編集して別の地図を作る測量です。
この測量は測量者のセンスが要求される測量です。



1、実測図と編集図

実測図とは写真測量または平板測量で測量して作った地図のことです。
一方編集図は、その実測図や基図を編集して作った地図を指します。
国土地理院発行の地図は各種ありますが、
いちいち全地図測量して地図を作っていたら、
人とお金がいくらあっても足りません。
そのため、地図編集と言う実測図や基図から編集図を作る測量が必要になるわけです。
また、これは国土地理院発行の地図から、
市販の道路地図などの特殊地図を作る作業も含みます。

2,500分の1国土基本図 実測図
5,000分の1国土基本図 実測図
25,000分の1地形図 実測図
50,000分の1地形図 編集図
200,000分の1地勢図 編集図
500,000分の1地方図 編集図
1,000,000分の1地図日本 編集図
3,000,000分の1日本とその周辺 編集図

2、基図と編集図

基図とは編集の基になる地図のことです。
縮尺が大きい順から見れば一番最初に必要な編集は、
2万5千分の1地形図から5万分の1地形図を作ることです。
このとき基になる2万5千分の1地形図は基図であり、
5万分の1地形図は編集図と言うことになります。
同じ要領で、5万分の1地形図から20万分の1地勢図を作る場合は、
5万分の1地形図が基図になり、20万分の1地勢図は編集図になります。

3、取捨選択

縮尺の大きい地図を編集して縮尺の小さい地図を作る場合、
同じ面積を表現するのに使える紙の面積はごく少ないものになります。
縮尺の大きい地図をそのまま縮小して同じ情報量を載せてしまうと、
地図がごちゃごちゃして分かりにくいものになってしまいます。
そのため、取捨選択という「重要な情報を残し、
不必要な情報を捨てる」と言う作業が必要になります。

〜例〜


たとえば基図がこのような場合。


ただ縮小しただけではこのようにごちゃごちゃになります。


そこでいらない情報を消します。
縮尺によって必ず必要な情報とそうでない情報とがあるのですが、
これをうまく見定めて情報の取捨選択をします。


いらない情報を消した後、
このまま縮小してしまうと記号等が小さくなってしまうので、
それぞれの記号を拡大します。
例は道路を拡大したところ(赤線)ですが、
ただ拡大すると、建物記号と道路の位置関係が矛盾してくるため、
適宜記号の位置を移動させます。これを「転位」と言います。
この移動もただ移動させればいいのではなく、
基図の位置関係と大きくかけ離れないようにします。


記号等を大きくして、位置関係の移動も終わったら、縮小します。

地図編集した地図とただ縮小しただけの地図の比較。
まだ取捨選択できそうな感じですが、だいぶすっきりしました。

4、総合描示

総合描示(通称「総描」)とは、
縮小により情報がごちゃごちゃしてしまうところを適宜簡略化して表示することです。

〜例〜

例えばこの建物を縮小する場合。


ただ縮小するだけだと、建物の角ががちゃがちゃして見難くなります。


そこで総描して、建物の角を減らします。
ただし、基の建物の形と大きく変わらないようにします。


総描したのを縮小するとだいぶすっきりします。

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