測量とは

地図作成には測量が深くかかわっています。
言い換えれば測量なくして地図はないと言っていいでしょう。



1、測量とは

測量とは国土の実態や状態、位置などを測ることです。

2、日本ではじめて本格的測量をした偉い人間

「伊能忠敬」
測量をやっていない方でも知っている方が多いと思います。
中学の社会の歴史で出てくる人ですね。
(あまり大きく教科書に載っていませんが・・・。)
今のように機械技術も発展してなかった中、
地道に測量をし、極めて正確な地図を作りました。
伊能忠敬らが作成した地図は伊能図(大日本沿海輿地全図)と言います。
ただ、伊能忠敬の生存中に伊能図を完成させることが出来ませんでした。
忠敬の死後、忠敬の弟子らが意思を引き継ぎ完成させました。

3、測量に関する法律

「測量法」
測量に関して全般的なことが決められている法律です。
日本の国土は均一の基準で知る必要があり、
各地バラバラな方法で測量をやっていたら、
各地の比較分析等が正確に出来なくなってしまいます。
そのため、この法律の重要性は極めて高いのです。
測量をやるには測量法だけでなく、
国土調査法、土地区画整理法など色々な関連法律を知る必要があります。
測量士目指す方はほぼこれらの法律をまる暗記しなければならないようです・・・。

4、測量の種類

測量・・・と言っても種類が沢山あります。
測量士を取得するにはこれらの測量をすべて把握しなければならず、
非常にキツイものがあります。

●a,測地測量(基準点測量)

測地測量とは三角点、多角点や水準点などの基準点を求める(設置する)測量です。
三角点、多角点とは、位置、高さなどが分かっている点で、
あらゆる測量をするときに必要不可欠な点です。
なお、それぞれの三角点、多角点には、
球体の地球を平面に見立てた(投影した)位置の数値、
つまり平面直角座標値(以下座標値)が決められていています。
日本では平面直角座標が19座標あります。

三角点は位置と高さの基準点で、1等から4等まで存在しています。
上の等級に行くほど数は少ないですが、
極めて精密な測量を行って設置しています。
位置のもとになる原点は日本経緯度原点と言い、麻布にそれがあります。
ただ、平成14年から経緯度は世界標準を使うようになりました。

写真・榛名山の三角点

水準点は高さの点で、基準水準点、1等水準点、2等水準点、3等水準点があります。
なお、高さ0メートルはなぜか東京湾平均海面で決められていて、
水準原点は国会議事堂の所にあります。
水準原点の高さは約24.41メートルです。

なお、三角点、多角点、水準点には「標石」という目印の石が設置されています。

測地測量の種類は次のものがあります(詳しくは後述します)。
三角測量
多角測量
三辺測量
GPS測量
水準測量

●b,地形測量

測地測量で求められた位置や高さを元に地図を作っていく測量です。
その中でも航空写真をもとに地図を作る写真測量は、
基準点測量に対し、基本図測量と呼ばれ、
地形図などを作るのに必要不可欠な測量です。

種類は以下の通りです(詳しくは後述します)。
写真測量
平板測量
地図編集

●c,応用測量

測地測量や地形測量を応用したり、
組み合わせたり、または特殊な測量がこの分野に入ります。
ぞれぞれ目的に合わせて使われています。

河川測量
海測量
工事測量
路線測量


5、観測手簿と計算簿

GPS測量以外の基準点測量は、
2名以上の測量士か測量士補が測量に携わります。
主に一人がトランシット等で測る役目で、
もう一人がその測った結果を「観測手簿」に書く役目です。
測り役が「角度25度20分30秒!」と言ったら、
書き役はそのまま手簿に正確に書いていきます。
書き役が聞き間違いをしないよう、
測り役は大きな声ではっきり計測結果を言わなければなりません。

「計算簿」は複雑な計算をしやすくした帳面で、1つの公式をバラして、
一つ一つ確実に求めて計算ミスを少なくするよう
(またはすぐ計算ミスを発見出来るよう)にしたものです。

6、測量機器はぜひここで??

測量機器は需要があまりないため、参入企業が少なく、
だいたい次の3社で多くのシェアを占めてしまっています。

●a,ソキア(SOKKIA)

もとは「測機舎(そっきしゃ)」という社名でしたが、
平成4年に気取って「ソキア」に社名を変更しました。
・・・と言っても「そっきしゃ」を「そきあ」にして促音や拗音(ようおん)をなくしただけですが・・・。
測量機器一筋云十年という老舗で、業界最大手です。
測量機器会社はほかに「測舎」という会社もあるようですが、
こちらは別会社のようです。

●b,トプコン(TOPCON)

トプコンはメガネレンズの方が有名ですが、測量機器も造っています。

●c,ニコン(Nikon)

デジカメでは超有名ですが、意外と測量機器も造っています。

7、測量士が見ている望遠鏡みたいのはなあに?

測量士はよく望遠鏡みたいのを覗いていますが、
だいたい次のどれかにあたります。
どの望遠鏡も光の調整や水平調整が難しいです。
初めて測量を行う人は、気泡管の気泡を中心にもっていって、
望遠鏡を水平にするのに手間取ってしまいます。

●a,トランシット(セオドライト)

水平角と鉛直角を測る望遠鏡です。
図面で使う分度器のようなものと考えると良いです。
最初の位置で目盛りを0度0分0秒(分は度の60分の1、秒は分の60分の1です。)に合わせ、
測りたい角度のところまで望遠鏡を回すと、目盛りが動いてその角度を示してくれます。
測量士によってはセオドライトと言っている人もいますが同じものです。

●b,トータルステーション

トランシットのパワーアップバージョン(?)版。
トランシットの目盛りはアナログ式ですが、
トータルステーションの目盛りはデジタル式です。
角度が数値となって出るのでトランシットと比べて誤読が少ないです。
光波測距儀を搭載しているので、距離も測れます。その他機能満載です。
最近のGPSを使わない位置の測量は、
殆どトータルステーションで、トランシットはあまり使われません。

●c,ティルティングレヴェル

高さを測るときに使う望遠鏡で、
レヴェルの十字線という目盛り線と標尺(後述)と言う巨大ものさしの目盛りとで、
高さを測ります。
ティルティングレヴェルは精密な水準測量をするときに使います。
測量士によってはチルチングレベルとかテルテングレベルとか発音しますが同じです。

●d,オートレヴェル

視準線(対物レンズと十字線を結ぶ線)を水平に自動調節するレヴェルです。
ただしあくまでもオート(自動)なので、ファジー(あいまい)が付きまといます。
精密な水準測量をするときは不向きです。

三角測量

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