月鏡徒然草・25年03月

芋づる的に逮捕される少年3人3組の裏(2025年03月28日)

3月7日の日記で、
中高生3人組による、
「楽天モバイル不正ログインにより契約した通信回線を転売していた事件」
を取り上げたのですが、
更に別の中高生3人組とそのまた更に別の中高生3人組が相次いで逮捕されました。
たまたまなのかもしれませんが、
何れも3人組なのは、
行動のしやすさなのかもしれません。
1人だと心細いし勇気が要るので、なかなか実行に移せない、
2人だと喧嘩したりしたら1人になってしまうのと、
相手がやる気が無かったりすると、もう一人もモチベーションが下がってしまう、
4人以上だと仲間外れが起こったり、分断が起こったり、
意見の対立が起こってなかなか実行出来ない・・・。
そのことから考えると3人というのはちょうど良いのかもしれません。
3人だと相互牽制が出来るのと、
分担をすることで、効率よく犯罪が出来るのです。
「3人集まれば文殊の知恵」とか、
「三本の矢の教え」とか言われている通り、
3人集まると強力になり、知恵のある行動が発揮できます。
しかし、それは悪い方へいってしまうこともあります。

2番目に逮捕された中高生3人組は、
「荒らし共栄圏」というグループに属しており、
(荒らし.comと言うウェブサイトも運営)
そのうち一人はその代表で、自ら「主席」と名乗っていました。
「荒らし共栄圏」と言う組織名から分かる通り、
このグループの活動は主にネット掲示板やSNSのコメント欄を荒らしたり、
個人や企業への誹謗中傷、脅迫、恐喝を主に行っていました。
なお、「荒らし」は「炎上」と異なり、
(自分基準の)正義性が無く、大人数と言うより、
個人、または少人数で行うもので、
ネット掲示板やSNSのコメント欄に誹謗中傷、暴言、無意味な文字列、
卑猥な書き込み、下品な書き込みを行い、
その場のコミュニティの雰囲気を悪くさせる行為です。
「荒らし」という言葉自体、最近あまり使われないので、
この言葉を聴いた瞬間、私は懐かしさで涙がでました。
(15年以上前はこのサイトも掲示板があって、荒らされたことがありました・・・。)
勿論、そういった行為は今も日常的に行われているのですが、
今のSNSなどのコメント欄などは、
コメントする側もアカウントを持っており、
そういった「荒らし」行為をすると、
アカウントが停止されてしまう可能性があるのと、
「荒らし」よりも「炎上」に加担した方が罪悪感がなく、
ストレス発散効果が高いので、
徐々に「荒らし」をする者は少なくなりました。
ただ、特定の人物や企業を陥れたりするために、
金銭を払って「荒らし」を依頼するビジネスは暗躍しており、
今回のこの「荒らし共栄圏」の3人も、
一部はそういった行為で資金を稼いでいたのだと思います。
ただ、今はSNSをやる者が多くなった反面、
1つのSNSのアクセス集中率が減ったため、
「荒らし」行為の効果が薄くなり、
SNSのプラットフォーム側や警察などの監視も厳しくなったので、
思うように資金が得られなくなったのだと思います。
そのため、今回の楽天モバイルの不正アクセス事件に加担したのだと思います。

3番目に逮捕された中高生3人組は一番手口が巧妙で、
楽天モバイルの回線を売買したのではなく、
不正契約した楽天モバイルの回線を最初の3人組の一人から購入し、
それを使ってペイペイのアカウントを登録し、
架空のチケット販売料金を購入者からそこに送金させた挙げ句に、
チケットが届かないと苦情を入れた購入者に
「返金する。」と言って、
ペイペイのIDとパスワードをフォームに入力させて、
そのIDとパスワードを盗み取り、
ペイペイのチャージ残高を盗もうとしたという、
二重にも三重にもあくどいことをやっています。
私のようなおっさんにはよく分からないのですが、
若い人は普通にECサイトを通さずにそういった売買契約をしてしまうのでしょうか?
はっきり言ってペイペイは一番利用者数の多いコード決済なので、
逆にそのことから「怪しい」と思わなければいけません。
ペイペイはペイペイ銀行もそうなのですが、
本人確認や取引時確認が甘く、あまり信用性があるとは言えません。
(なお、私は宮川大輔が嫌いなので、ペイペイは使いません。)

前も書きましたが、
中高生3人3組何れも彼らだけでやった事件だとは思えません。
そもそも出発点である、
何十億件もの楽天モバイルのIDとパスワードを購入する資金は、
ネットゲームの利用料金より遙かに高い金額な筈で、
通常だったら割に合わないことをしています。
それが成り立っていることは、
何れの少年たちも背後の組織に実行犯として使われた可能性があるということです。
私が中学生の頃の「ワル」と言ったら、
学校の備品を壊したり、万引きをしたり、カツアゲをしたり、
教師に暴力を振ったりという、
極めて単純なもので、知能的な「悪さ」とは程遠いものでした。
確かに高度なプログラムを作る能力は、
子供の好奇心と集中力の高さで出来るかも知れないのですが、
知能的に考えて犯罪を行うのは、
大人でないと不可能だと思います。
特に3番目に逮捕された3人組は、
「利用者は同じパスワードを使い回している」と言うことを認識し、
他のサービスのIDにも同じパスワードでログインを試みています。
大人なら、
「利用者は同じパスワードを使い回している」って普通に思うことなのですが、
まだ人生経験の浅い中高生がそこまで予見することは先ず出来ないはずです。
ここまで、知能的に察知して悪いことを考えるのは、
なにかしらの入れ知恵があったとしか思えないのです。

警察も少年3人3組の逮捕だけではこの事件の真相には辿り着かないと思います。
徹底的な捜査を願いたいところです。

多くの金が稼げるという幻想社会/動画配信者にとっての投げ銭と、視聴者にとっての投げ銭の価値
(2025年03月16日)

先ずは特殊流動型犯罪集団(トクリュウ)である、
清水謙行容疑者(49)らによるリフォーム詐欺事件の件です。

この事件で清水容疑者らは、
建設業の許可が無いのにもかかわらずリフォーム工事を請け負い、
多額の金を荒稼ぎしていました。
なお、今回の事件では具体的リフォーム詐欺の手口について、
どこのマスコミも書かれていないのですが、
これは清水容疑者らはあらゆるリフォーム詐欺グループの総元締めで、
実際の工事は下請けの詐欺グループが主にやっていたからです。
ただ、リフォーム工事を高額で請け負っておきながら、
技術力の無い、いい加減な工事しかしなかったり、
工事自体を履行しなかったりすることは多々あり、
色々なサイトなどでその実例と注意喚起がなされています。
よくあるのが、部屋を広くするために大黒柱を抜いて家が歪む、
梁を途中で切ってしまう、気密性をなくしてしまう、防水処理が不十分、
不要になった資材を屋根裏や床にそのまま放置して完了、
屋根の瓦を割ってしまう、ダクトや配管の仕方が間違っている、
床材が変形してささくれてしまう等々色々あります。

清水容疑者は自身を「スーパーサラリーマン」と称し、
SNSなどで現ナマ(現金〜札束)やブランド品などを見せびらかして、
金持ちアピールすると共に、
うちにくれば、これくらい稼げることを謳って社員(メンバー)を募集していました。

SNSで現ナマを見せびらかしたり、ブランド品で着飾ったり、
高級車を乗り回したりすることは、
承認欲求が高い人間がやりがちのことなのですが、
これは自身が貧しいことの裏返しになっていて、
本当に恵まれた人間は、炎上するし、狙われるので、
SNS上でそういったものを公開しませんし、
支払いはクレジットカードなどのキャッシュレスで行うので、
大量の現ナマを持っていることは殆どありません。

私と清水容疑者は1歳違いなだけでほぼ同年代です。
我々世代の子供の頃は昭和バブル絶頂期で、
清水容疑者がSNSで公開したような成金大人が巷にうようよしていました。
清水容疑者は子供の頃に
こういったバブリーな光景を見て憧れを持ったのかもしれません。
ただ私が令和の今、こういったのを見ると、
とても古くさくてダサくて胡散臭く見えます。
(じじむさく感じるんですけど・・・)
しかしながら、それを知らないバブル崩壊後に生まれた世代にとっては、
逆に「すごい。」「素敵。」「羨ましい。」と思って、
惹かれてしまうのかもしれません。
更に「年収1億円」というキャッチーな言葉が、
楽して金を稼ぎたいと思っている若者の心を掴んでしまったのです。
冷静に考えれば、年収1億円にするには、年中休まずに働いても、
1日27万円以上稼がなければなりません。
更に経費や本部へのお金、税金などを考えると、
約10倍の270万円以上の売り上げを獲得しなければなりません。
つまり、一人で毎日休まず営業して、
毎日新車1台売らなければならない位の過酷な営業が必要なのです。
このことから大谷翔平選手のような活躍しているプロ野球選手や、
大企業の代表、余程有名タレントなどでないと無理な収益です。
(はっきり言って年収1億円のユーチューバーは現在、殆どいないと思います。)

確かに楽に金が稼げる方法が無い事も無いのですが、
若い世代の場合、
余程才能があるか、コンプライアンス違反や犯罪をするか、
数少ない波に乗るかしないと先ず稼げません。
(ネットカジノや暗号資産などは大部分が損をしているのが現実です。)
我々中高年者が常々若者に「楽に稼げる方法はない」と言っているのですが、
「老害発言」としか思われない傾向が現在強いです。
若者は「楽に稼げる」というのは「幻想」なことに気付いていないのです。
SNS上では成功して多くの金を稼いでいる人が見られますが、
これは全体で見ればほんの一握りですし、
自己承認のため、
「成功してお金持ちになっているフリ」をしている人が多いのです。
また、一時的に成功しても後々失敗してしまう人もかなりいます。
そんな幻想に振り回されることなく、
堅実に働くことが、自身を豊かにする一歩なのです。

〜〜〜〜〜

次は高田馬場で起きた動画配信者殺害事件についてです。
この事件は動画配信サイト「ふわっち」のライバーである、
最上あいこと佐藤愛里氏(22)が東京の高田馬場にて、
同氏配信の動画視聴者である高野健一容疑者(42)に
首や腹などを刺されて殺害されたという事件です。
高野容疑者は最上氏に多額の投げ銭をしていた挙げ句、
最上氏が働いている店で知り合った折には総額200万円もの金額を貸しました。
その200万円をなかなか返してくれないので、
高野容疑者は最上氏のライブ配信から最上氏の居場所を特定し、
殺害を至ったようです。

先ずは殺害された最上氏のことですが、
これはどの人も言っているとおり、
基本的に屋外では生配信をするべきではありません。
今回、最上氏は「山手線を徒歩で1周する企画」で生配信をやってしまったことで、
居場所が特定されてしまいました。
今はGoogleマップのストリートビューを使えば簡単に場所が特定できてしまいます。
ましてや、東京などの大都会は店やビルなど建物情報が多く、
割り出すのは簡単です。
なお、知名度がある配信者は、
生配信でなくても、
それを見た第三者がSNSなどでリアルタイムに拡散する可能性があるので、
複数人で目立たないように行う必要があります。
最上氏はそれ以外でもライブ上で個人情報を小出しにしていたようで、
高野容疑者のように熱を持った視聴者は、
その情報を元に近付こうとしてしまいます。
承認欲求なども一因にあったのかもしれませんが、
余計な個人情報を公開するべきではありませんでした。
そもそも、女性(特に事務所に所属していない個人)は、
あまり等身大で動画配信をしない方が良いと思います。
(だから、Vチューバーは女性が多いのです。)
少なからず恋心を持つ馬鹿な男性が近付いてくるからです。
そして、金をくれたからといって優しくしたりすると、
そういった男性は「自分に好意があるんだ。」と勘違いしてしまいます。
高野容疑者の写真を見た限り、いかにもそういったもてなそうな男性に見えます。
そんな高野容疑者につけ込んで金の無心をした最上氏にも、
人を見る目がない挙げ句に、
高野容疑者を「金づる」にしか思っていないという、
「頂き女子りりちゃん(渡邊真衣被告)」のような、
人を舐めているとしか考えられない面もありました。

次にプラットフォーム側です。
これはいつもこの日記で書いていることですが、
投げ銭などの寄付金の拠出額を制限した方が良いと思います。
勿論、昔から舞台で演劇や歌唱をした役者や歌手などに、
「おひねり」としてお金が投げ込まれる文化があったわけで、
私は投げ銭そのものを否定するわけではないのですが、
無制限に拠出すると、多くの問題が発生してしまいます。
一番多いのは、
高野容疑者のように借金までして投げ銭をするものが出てくることです。
で、もう一つの問題が、
頭の悪い配信者などが、
投げ銭の額で視聴者(ファン)のランク付けをしてしまうことです。
とある政治経済評論家の動画配信内で、
その評論家が「ナイススパ!」と盛んに言っていました。
高額のスーパーチャットをした視聴者に対して
感謝の意味を持って言ったのかもしれませんが、
私からすれば、「何がナイスだ」と言いたいです。
その評論家にとっては「金を出す視聴者はナイス」で、
「金を出さない視聴者はナイスではない」のです。
こういった配信内の言葉でも、
その配信者が金の亡者かどうかの一つの判断材料にはなります。
逆に配信者によっては自主的に拠出額の制限を決めており、
破った視聴者はしばらくアクセス禁止にしているところもあります。
そういった配信者はその面に関しては良心的だと言えます。

次に高野容疑者です。
世の中、多くの動画配信者がいますが、
大体の配信者にとっては、
視聴者の投げる投げ銭を「ありがたい」ともなんとも思っていません。
配信者は配信をすることを仕事でやっているのです。
そして、その対価として金銭を当然のように受け取っているのです。
なので、投げ銭を沢山したからって、
特別な関係になれると思っていること自体が間違っていると言えます。
高野容疑者にとっては、
200万円が返ってこないどころか、
推しライバーのライブをもう二度と見られなくなった挙げ句、
殺人犯で逮捕されるという、
全くもって馬鹿としか言いようのない単純短絡的な犯行をしただけにしかなりません。
高野容疑者は、「最上氏が200万円借りている上に
動画配信で儲けているのが許せなかった」と言っていますが、
最上氏は高野容疑者が思っているほど動画配信では儲けていなかったと思います。
現在、多くいる配信者の中で動画配信の広告収入だけで儲けられるのはごく僅かで、
殆どは投げ銭などを合わせて小遣い銭くらいになるだけです。
実際、投げ銭はそのまま配信者の懐に入るわけではなく、
一定金額プラットフォーム側に手数料として引かれます。
ユーチューブのスーパーチャットなどは、
手数料が大体40〜50%だと言われています。
「ふわっち」に関しては分かりませんが、
大体同じくらいの比率で手数料が引かれているのだと思います。
なので、最上氏も動画配信の収入だけではやっていけなく、
飲食店の仕事をやっている上に高野容疑者に金の無心をしたのです。
そもそも「山手線を徒歩で1周する企画」ってあまりにも低予算で、
最上氏にいかにお金が無かったことが如実に分かります。
高野容疑者にそこを見極める力があれば、
こんなことにはならなかったのです。

この事件の報道で一部マスコミは「人気ライバーが殺害された」と報道していました。
これはマスコミの悪いところで、
美人でも無い人を「美人○○」とか言ったり、
たいしたことない経営者を「やり手経営者」とか言ったり、
大して頭の良くない芸人を「インテリ芸人」とか言ったり、
余計な言葉を付け足して盛ってしまいます。
盛った方が受け手に心をキャッチ出来る意図があるのですが、
逆に言うと、それを単なる「盛り」と解釈せず、本気で信じてしまう人もいます。
最上氏はそこそこ視聴者はいたのですが、
「人気」を付けるほど人気だった訳ではなく、
逆に、高野容疑者のような人間がこういうのを見ると、
「こいつは人気があって金を儲けているんだ。」という歪んだ発想を持ってしまいます。
兎に角、配信者もマスコミも不必要に盛ることはやめるべきだと思います。

故意で無い嘘情報の厄介さ/高度な少年犯罪と幼稚さ(2025年03月07日)

岩手県大船渡市で山林火災が起こりました。
被災された方には心からのお見舞い申し上げます。

森林火災の原因云々やそういったことは今回は取り上げません。
今回この件で取り上げるのは、
毎回発生するSNSなどの嘘情報についてです。
今回も色々嘘情報があったのですが、
中にはレーザー兵器を照射して山林を焼いた等という、
全くもって根拠も何も無い馬鹿げた嘘もありました。

こう言った嘘は被災者の心を苦しめるだけで無く、
災害救助の障害になってしまうため、
徹底的に無くす必要があります。
しかし、嘘の発生メカニズムが複雑で、
なかなか対策がいかないのが現状です。

嘘を発生するメカニズムが複雑になる理由は、
ネット上で広まった嘘の発生源が、
故意で無いことが多いからです。

ネット上では故意による嘘と、故意で無い嘘があり、
日々、多くの人たちが嘘をついています。

「故意の嘘」は散々この日記でも取り上げましたが、
混乱を楽しむため、または、
他者を貶める等の理由で意図的に嘘を作り上げることです。
わかりやすい例で言えば、
選挙などで特定の候補者を当選させるために、
対立候補の根も葉もない嘘をSNSなどを通じて広めることなどが挙げられます。
一方、もう一つの「故意で無い嘘」が結構厄介で、
広めた本人が悪気がなく、かつ、結果も何も想定していないので、
事の収拾が困難な場合が多いです。
故意でない嘘の発生源はSNSもありますが、
結構多いのは、5ちゃんねるなどの大衆掲示板などです。
発生源の当人はギャグや冗談で書いたつもりでも、
全く関係ない第三者は本気で信じてしまい、
自身のSNSなどを通じて拡散してしまうのです。
ギャグや冗談で結構面倒なのは、
受け取り側がどういう受け取り方をするかをあらかじめ想定し、
予防線や断りを作る必要があるということです。
つまり、最初に受け取り相手側にギャグや冗談だと認識させる必要があることです。
例えばお笑い番組や落語の公演などは、
あらじめフィクション性のあるギャグや冗談を言うことを担保されています。
そのため、その場で言ったことを視聴者や観客はギャグや冗談と認識し、
にわかに信じないのです。
しかし、ネット上ではこのことが曖昧なため、
書き込みを見た人が本気で信じてしまうことが多々あります。
一番良いのは、あらかじめ嘘だと振ったりすることや、
元々ギャグや冗談を書き込みあうスレッドに書き込むことですが、
後者は殆ど無いし(あらかじめ振るのもつまらないし・・・。)、
書き込む本人も意識していないからこそ書き込んでしまうので、
根本的解決になりません。
そのため、残念ながら今のところの対策は、
受け取り側が「フェイク(嘘)情報を信じないように」警告をすることしかできません。
しかし、そういった対策はどんどんネットの情報の信頼性を落としていくことになりますし、
書き込む方も萎縮してしまい、自由な書き込みが出来なくなってしまいます。

日本はネット後進国と言われますが、
実はネットコミュニケーション能力はどの国よりも優れていて、
最先端を行っています。
ネット黎明期のころから日本人は既に、
本来の文章の文末に顔文字(現在は発展してアバターなど)や
「(笑)」などを付けて、
あらかじめ冗談やギャグだと言うことを認識させることを考え出していました。
(最近は「ww」とか、それを見立てて「(草)」などバリエーションも増えています。)
つまり、意図しない嘘情報を広めないようにするには、
そういったネットコミュニケーション能力を高めると共に、
他者の生死や人生を左右しかねない情報は、
書き込まないことが肝要だと言えます。
なお、どうしても書き込む必要がある場合は、
ちゃんと調べて裏付けをする必要があります。

余談ですが、www.tawatawa.comのwwwは「笑い」や(草)ではなく、
world wide webの略ですよwww?

〜〜〜〜〜

次、
中学生高校生の3人組が、
テレグラムを通じて手に入れた楽天モバイルの大量のIDやパスワードを、
自身で組んだプログラムを通じて不正ログインをし、
そこで契約が成立した通信回線を転売していたと言う事件の件です。

最初、私が読売新聞でこの記事を見たとき、
「AIの高速化プログラムを目指しており云々」と書いておきながら、
AIの高速化プログラムがどう関与したのか全く記事に書かれていませんでした。
なので、私は最初、何がなんだかよく分かりませんでした。
おそらく、この記事を書いた記者も犯行の内容がよく分からなくて、
記事の文章があやふやになってしまったのだと思います。
それだけ、この3人の行ったことは高度な犯罪だと言えます。
その一方で動機は幼稚で、
「自分たちが凄いことを証明させたかった」という承認欲求と、
「小遣い銭稼ぎ目的」という単純なものです。
この幼稚さが墓穴を掘り、
高度な犯罪を行いながら逮捕に至ってしまった原因だと思います。

この事件はオンラインゲームで知り合った3人が、
秘匿性の高いテレグラムを使い、
楽天モバイルのIDとパスワードを購入しました。
この件数ははっきりしていませんが、
一部では数十億件分だと言われています。
先ず、ここで私のような凡人が疑問に思うのは、
それだけのIDとパスワードを購入するだけの資金を3人が持っていたということです。
これだけの量だと購入に少なくとも数百万円から数千万円はかかります。
これに関しては、別ルートでクレジットカード情報を入手し、
不正利用をしていたとされています。
更にそのクレジットカード情報の提供料は、
不正利用で得た利益のキックバックで払っていたものと思われます。
なので、背後に反社などの関係もあるのかもしれません。

次に岐阜県の高校生が楽天モバイルのサイトにアクセスして、
大量のIDやパスワードを瞬時に入力し続けるプログラムを組んで、
実行させました。
大量アクセスや大量入力するプログラムというのは、
ネット犯罪集団では基本的なプログラムで、
昔から存在していました(田代砲などはよい例です)。
それだけ、そのプログラムの構造自体はさほど難しくはないのですが、
この高校生がすごいのは、情報が大量すぎるため、
入力を高速化するプログラムを組んでいたことです。
これが読売新聞に書いてあった、
「AIを用いた高速化」で、
高速化するためのプログラム構文をAIを使って得ていたようです。
しかし、高校生は実際にはAIを少ししか使っておらず、
殆ど自力でプログラムを組んでいたようです。
それ故にその頭をもっと良い方向に使えなかったのかと思ってしまいます。

購入したIDとパスワードの殆どはログイン失敗に終わっているのですが、
数撃てば当たるといった具合で、
ログインが成功し、契約できたものもありました。
これを中学生2人がやはりテレグラムを使って売りさばいていたようです。

しかし、
この事件で本当に危険なのは少年たち3人ではありません。
その背後にいる大人たちなのです。
元々少年たちはテレグラムを通じて、
楽天モバイルのIDやパスワードを購入していたのですが、
これを売却したのは大人(反社の可能性もある)だと思われます。
そもそも、この大量のIDやパスワードを売却した人間は何故、
自分でログインを試みなかったのでしょうか?
これはそうすると足が付いてしまうことが分かっていたからです。
自分でログインを試みて成功した回線を売却するのはリスクが高いので、
ものを知らない少年たちを利用して金を稼いだのです。
(秘匿性の高いテレグラムでやりとりしているので、
自分まで辿りにくく、いざ、辿られてもドロンできてしまいます。)
今回、少年は大それた犯罪を行いましたが、
所詮は「少年」です。
そういうことまで頭が回らなかったのだと思います。
少年たちは一連の支払いのため、
クレジットカード情報も購入していたようですが、
これも同様な理由で悪意のある大人が売却をしたのです。
そのため、今回、少年たちの逮捕だけでは「トカゲの尻尾切り」になる可能性もあります。

それともう一つ怖いのが、
この事件を見て成り上がりのIT企業経営者がこの少年たちを支援したり、
才能を買ってヘッドハンティングする可能性があることです。
これは前回申した極左思想の中の延長で、
儲けを出せる技術を持った才能のある人間なら、
「モラルとかそういうのはどうでも良い。
それを打破することが革新だ。」とか言う、
ねじ曲がった考えの人間が巷にはウヨウヨしているのです。
しかし、そんな情も何も無い功利主義的な人間関係で仕事をしても、
結局裏切るか裏切られるかで不幸になるだけなのです。

少年たち3人が今後、どういう生き方をしていくのか分かりませんが、
事件を反省し、全うに生きて欲しいと思います。

月鏡徒然草・25年02月

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