月鏡徒然草・臨時3

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早計な摂取制限はすべきではない(2011年3月25日)
 東京都の金町浄水場で基準値の2倍のヨウ素が検出され、
23日乳幼児の摂取制限がされたのですが、
今日、基準値を下回ったので、解除したとのことです。
 私は「規制したりすぐ解除したり」と言うやり方は無駄に混乱を招くので、
あまりやって欲しくないと思います。
 勿論予断は出来ないのですが、ヨウ素の半減期は8日で、検出量も極僅かです。
長期的に摂取しなければ問題ない数値なので、
長期検出のおそれがあるかどうかを見極めてから判断するべきです。
 それに、予想通りミネラルウォーターの買占めをする主婦が出て混乱しました。
乳幼児のいない家庭でもミネラルウォーターの買占めをする主婦もいたので、
制限するのなら意図と目的をしっかり説明するべきです。

 ベクレルと言う数値は1秒間に原子核がどれくらい破壊されるかと言う、
放射線放出能力(つまり放射能)の数値で、
シーベルトのように放射線が影響する度合を示したものではありません。
 なので、基準値以上のベクレルの数値が計測された場合、
すぐ摂取制限に踏み切るのは誤解を生みます
 基準値に「ベクレル」を使う場合、検出した放射性物質を特定し、
その放射性物質の半減期を考慮し、
更に人体に影響する量なのかどうかを検討してから
摂取制限をするかしないかを決める方が余計な混乱を避けられます。
 ヨウ素のように半減期が8日なものや、
ウランのように半減期が45億年のものまであります。
ウランだったら一生内部被ばくすることになるので、
直ぐに摂取制限をしなければなりませんが、
 ヨウ素のように内部被ばくが極めて短期に限定される場合は、
放射性物質の量(人体に影響する量かどうか)を鑑みてから決めるべきです。
 この判断が水道局単独で出来ない場合は専門家に聞くべきです。
中には「水道局は化学を勉強したプロだから分かるだろう。」と言う人間もいますが、
私の経験則ではそういう人間に限って無知な場合が多いです。
緊急時に面子とか恥とかそういうくだらないことに拘るべきではありません
 勿論、専門家の中にも「俺は専門家だ!」と偉ぶる人や、
新聞社に「有名大学の教授」と言う肩書きを売って世論をミスリードする銭ゲバ専門家
(誰とは言いませんが)もいますが、そういう専門家に頼まないよう、
専門家の質を吟味する必要があります。
液状化現象/原子炉の解体(2011年3月24日)
 今回の地震は津波の被害が一番大きかったのですが、
地震本体での被害で見られたのが地盤の液状化現象です。
 今回の地震では千葉県の浦安市など埋立地の多い地域で液状化が発生しました。
また、先月のニュージーランド大地震で被害が大きかった、
クライストチャーチもこの液状化が被害を拡大させました。

 液状化が発生しやすい場所は川や海などを埋め立てた所で、
元々海底、河床だった砂礫の上に埋立土で埋め立てたところです。
砂礫は水を多く含んでいて、かなり緩い状態になっています。
 地震が発生すると、この砂礫に含まれた水がシェイクされ、土砂の粒子の均一化により、
上の埋立土に水が浸透します。また、上の埋立土も下の砂礫の水に溶け出します。
 シェイクの度合が大きいと、水は地表まで出てしまいます。
そうすると、水の体積分が減るので、地盤沈降が起きるのです。
地盤沈降が起きればその上にある建物や道路などは傾いたり、崩壊したりします。
 「なーんだ、簡単な原理じゃないか。」と思われる方が多いのですが、
そういった液状化のおそれがある埋立地に住んでいる人はかなりいて、
意外と盲点になっています。
「埋め立てる位だから地盤はしっかりしているのだろう。」
と勝手に信用している人や埋立地だと気付かない人、
家やマンション等を購入する際は街並みや建物のデザインなど
表面的なことに目がいきがちになり、地質を考慮する判断が欠如してしまう人が多いからです。
勿論、不動産業者は物件を売りたいので、そんなデメリットは知っていても言いません。
 私ははっきり言って「こういう場所に住まない方が良い。」と断言出来るのですが、
日本の住宅事情から言ってそうもいかないのだと思います。
なので、こういった場所の家を買う場合は、もう最初からそれを覚悟でいなければなりません。
 福島第一原発事故は前日より状況が悪化したと思います。
これは原子炉自体の問題と組織間疎通問題です。
 原子炉自体の問題はまた3号機で黒い煙が上がった事です。
発表によると「何かが燃えている」そうです。まあ、それはそうでしょう。
しかし、それだけ状況確認が出来ない危険なレベルだと言えます。
そのため、隣接する4号機も含めてポンプの復旧は今日も出来ず、
状況は好転していません。
 また、1号機の原子炉格納容器内が400℃を一時越えました。
その後の注水で少し下がったようですが、依然予断を許さないようです。
 組織間疎通問題は、
保安院が2号機タービン建屋内で500ミリシーベルトの放射線量が検出されたとの発表に対し、
東京電力がそのことについて否定をしていることです。
500ミリシーベルトだとかなり危険な数値で、
そのことで意見が食い違ってしまうと作業にあたっている方の命にもかかわってしまいます。
 ただ、タービン自体は原子炉格納容器と直接繋がっているわけで、
2号機炉心内の燃料棒が融けていれば、放射線量もそれなりに高くなります。
なので、タービン建屋の何処の位置で測定したのかにもよります。

 皆様はチェルノブイリの原発事故が脳裏に焼きついているので、
廃炉は石棺して封じ込めるものだと思っている方が多いと思いますが、
それは正規の方法ではありません。
当時のソヴィエト連邦が事態収拾、情報隠蔽を急ぐあまりに行なった苦肉の策で、
杜撰な管理の原子炉、被ばくして死亡した作業員、
そして、情報すべてを石棺で封じ込めて隠したのです。
 土地の狭い日本で廃炉後石棺していたら、石棺だらけになってしまいます。
それに石棺のコンクリートの老朽化による放射性物質飛散問題もあります。
廃炉は更地にするのが正規の方法なのです。
 勿論、即解体と言う訳にはいかず、
ウラン、プルトニウムなどの燃料、
セシウムなど※半減期の長い高レベル廃棄物を廃棄物貯蔵施設に移した後、
その他の放射性物質の半減期を計算して、
安全に解体作業出来る時まで管理して保存するので、時間はかなりかかります。
これは安全貯蔵期間と言って、5〜10年もの歳月がかかります。
建材に使われる鉄の半減期などが3年〜5年くらいになっているからです。

※半減期・放射性物質量が半分にまで減る期間。半減期が1年だったら、
1年で放射性物質が半分になり、更にもう1年で更に半分(最初から見ると1/4)になります。
渦巻くどす黒い本性/東京電力の国有化??(2011年3月22日)
 私が14日の日記で、読売新聞の丸山経済部長の記事の批判を書きました。
「復興の負担は国民全員」は法人、富裕層は含まれていないと書きましたが、
とうとうその尻尾を出し始めました。
3月22日の読売新聞の中程のページに玄田有史氏の論説が載っていました。

 玄田有史氏は東京大学の労働経済学の教授だそうです。
読売新聞は自社の主張を代弁してくれる大学教授として、
この教授を選んだのだと思います(要は回し者の犬)。
 この教授の論説を読んだのですが、あまりに酷すぎます。
こんな人間が東京大学の教授だなんて、東大の学生にとって気の毒です。
勿論、私は玄田氏が原稿料を受け取っていないと信じています。
(受け取っていても全額被災地に寄付しているでしょう?)
〜論説中程〜

 「社会を立て直すために思い切った消費税率アップ」とか言い出しています。
つまり、言葉を変えると、「一般労働者に震災の負担を全部押し付けろ。」と言っているのです。
勿論、玄田氏の考えに「消費税と共に法人税や高所得者の所得税の税率アップ。」
と言う考えは全くありません
 これでは震災復興に向けて「国民全員」もくそもありません。
結局、法人や高所得者が法人税減税で良い思いをして、
一般労働者に震災復興資金を出させるのです。
 分かりやすい例で言えば、
福島第一原発で一生懸命復旧にあたっている方が負担増になって、
腐りきった東京電力の上層部は負担減になるのです。
 一方、中程には被災地の人は「当面免税」と書かれていました。
今は地震直後なので良いのですが、
後々「被災地が被害を受けたから消費税をアップされた。」
と白い目で見られることになるのは間違いありません。
これは「時間が経つと冷めていく」と言う日本人固有の心理があるからです。
その時、被災地の方は余計心に傷を負うことになります。

 後ろの方に「小異を捨てて」と書いてありますが、
「小異」とはおそらく小沢氏グループの事を言っているのだと思います。
このことから、この論説は玄田氏そのものの考えと言うより、
読売新聞の主張をそのままこの教授の名前を借りて書いている可能性があります。

 「消費税負担の必要性を熱意もって」とか書いてありますが、
その裏で法人税の減税がされていることは絶対説明しないと思います。
 こんな消費税増に理解する国民は「騙されている」としか言いようが無く、
少なくとも私は全く理解出来ません。
 玄田氏は一応文中で「こんな時に不謹慎だと思いますが・・・。」と入れていますが、
不謹慎だと思うなら「書くな」と私は言いたいです。
 福島第一原発事故は一進一退で、唯一の朗報が1〜4号機すべてに電源が繋がった事です。

 そんな中、海江田経産相が現地の消防隊員に恫喝まがいのことをしたそうです。
まあ、その海江田経産相も菅首相や仙谷官房副長官から恫喝されていると思うので、
海江田経産相一人の責任だとは思えません。
 政府菅内閣は恫喝、隠蔽、責任押し付け、パフォーマンスの繰り返しなので、
もう現地で復旧している方々は政府の不合理的で不条理な指示は聞き流して
一番最善の策をとったほうが良いと思います。
 それと、閣僚はやはり作業着を脱いでスーツを着た方が冷静に指揮出来るのでは?
と思います。

 海から放射性物質が検出され、漁業にも影響が出そうです。
ホウレンソウなどの農産物の出荷も差し止められて
(私は出荷差し止めするほどではないと思いますが)、
農業、漁業両方に東京電力は損害賠償する可能性が高くなっています。
 米国経済学者の現時点の試算額は「1兆円以上になるのでは?」とのことです。
勿論、日々損害賠償額が数百億円単位で上がっていくので、
最終的にはもっと多くなると思います。
 なお、原子力発電所を設置する業者は保険の加入が義務付けられています。
東京電力も保険に加入していると思うのですが、
その保険金額がいくらかによって今後の東京電力の命運が変わります。
(保険で賄えない部分は必要に応じて国が援助するような法律になっているようです。)
 一番良いのは、保険金額で全部支払えるに越した事はないのですが、
最悪な事態だと東京電力は破産します。
そうすると国による経営建て直し(実質国営化)と言う事態になり、
国民の税金が投入される事になります。
 本来なら津波による天災分で国民の負担額は小さかった筈なのですが、
東京電力と政府の判断ミスによる人災で無駄な損失額が増え、
国民の負担額が大きくなってしまう可能性が出てきました
それに対する責任なくして「国民に金を出せ(しかも消費税増税)。」
と言っても国民は納得しないと思います。 
閣僚が作業着を着る理由/津波の進路/原発事故は光が見えているか。
(2011年3月22日)
 とあるタレントが「内閣の閣僚が作業着を着て災害対策の指揮を執っていること」に
疑問を呈する意見を怒りを込めて言ったそうです。
そのタレントが含みを持った言い方をする場合、必ずしも直の意味で無いことが多く、
どちらかと言うと、一番弟子の都知事選立候補に関する皮肉が強いのだと思います。
(その一番弟子はとある県庁で作業着を着て仕事をしていましたし・・・。)

 ただ、「内閣の閣僚が作業着を着るのはおかしい」と思っている国民は多いと思います。
しかし、このことについて指摘するのはタブーとされています。
 これは、「緊急時なんだからトップの者たちは作業服を着て汗を流して仕事に打ち込め。」
と言う苦情を出す人が少なからずいて、
そのことに対して指摘する者は「不謹慎」とされるからです。
 緊急時に閣僚が作業着を着ると言うのは、
自民党政権時代から慣例化されていて、民主党だからと言う訳ではありません。
勿論、理由は先に挙げた苦情によるものからです。
 確かに地方公共団体の首長だったら、
現場で陣頭指揮を執るので、迅速に動けるよう作業着を着る必要があるのですが、
官邸にいる人間が作業着を着る必要性は全く無く、
逆に緊急時だからこそ閣僚はスーツをびしっと着てもらった方がメリハリがあります
(現地視察時は除きますが。)
 また、外国(北朝鮮など一部の国は除く)から見ても、
日本の閣僚が作業着を着ていることについて「Why?」と感じています。
アメリカの大統領がホワイトハウスで作業着を着て指揮を執っているのと同じで、
おかしすぎるからです。
 しかし、日本人の感覚が変わらない限り、このおかしな慣例は当面続くのだと思います。
 今回の地震の津波は太平洋側から押し寄せたわけですが、
地形により津波の受け方が異なります。

 山元や新地の場合は太平洋に面して市街地があり、
海岸線も入り組んでなく、平野が広がっているパターンで、
これは、そのまま津波を受けて被害受けました。
津波の進路は単純ですが、これは逆に津波を避け難い地形で、
なすすべがなかったと思われます。
この場所の復興は抜本的に市街地の位置的見直し(内陸に移動)が必要なのと、
巨大堤防が必要なので、かなり難しいと思います。
 岩手県宮古から宮城県石巻女川にかけては全部同じパターンで、
リアス式海岸で奥まった湾に各方向から来た津波が合流し、津波のエネルギーが増大し、
実際の津波よりも高くて勢いのある津波が湾の奥にある市街地に流れ込み、
甚大な被害を齎しました。
 リアス式海岸沿岸の町は漁業の町が多く、
どうしても湾沿いに市街地を形成せざるを得ません。
昭和三陸地震の津波の教訓から
湾沿いに10メートル〜15メートル堤防を設けていたのですが、
予想以上の津波のエネルギーにより、その高さを超えてしまうか、決壊をしてしまいました。
報道では堤防は全部ダメだったみたいな言い方をされていますが、
一部集落では堤防によって壊滅を免れたところがあり、そこの堤防や地形を分析し、
今後の堤防造りが必要だと思います。
 石巻と東松島(矢本・野蒜)は説明するのも心苦しいパターンなのですが、
津波は最初に牡鹿半島にあたり、
それから若干エネルギーが減少した津波が牡鹿半島をまわり込むようにして、
石巻や東松島の市街地に押し寄せました。
 牡鹿半島は死者行方不明者が多く、最悪の被害になってしまったのですが、
逆に牡鹿半島があったため、
石巻の市街地や東松島の市街地の被害が緩和されたと言えます。
また、不確実な情報ですが、
牡鹿半島裏側にある網地(あじ)島や田代島(猫島)の被害が小さかったようなので、
これらの島も牡鹿半島が堤防になり被害を食い止めたと言えます。
 松島や塩竈は前のパターンを半島から島に変えたもので、
松島湾に浮かぶ島々が津波のエネルギーを緩衝させました。
さすがに海岸沿いを走るJR仙石線の線路などは水没しましたが、
本州陸地側の被害は抑えられたと言えます。
ただ、松島に浮かぶ島々は壊滅状態になってしまったそうです。
 仙台市若林区や名取、岩沼は山元や新地のパターンにプラスして、
津波が川(仙台若林区・名取は名取川、岩沼は阿武隈川)を逆上したため、
被害が拡大してしまいました。何れの川も堤防はあったのですが、
川の洪水を前提に造られているので、津波の力に勝てず、決壊してしまいました。
また、用水路や浦も津波の範囲を拡散した要因になりました。
 この地域は海岸線から3〜5キロメートル離れた
仙台東部道路より先まで津波が押し寄せたので、
被害面積がかなり大きくなったと言えます。
 河口に水門か何かあればまだ良かったのですが、
通常の水門では決壊していた可能性も高く、断定的には言えません。
 相馬や南相馬(原町)は、震源地から離れていて、
本来はもう少し被害が小さくなった筈なのですが、実際はかなり高い津波になりました。
「相馬付近は1回目の地震の津波と2回目の地震の津波が合わさって、
10メートル以上の津波になったのではないか」と言う専門家の指摘があります。
また、相馬の方は松川浦が津波を拡散させた要因が強いです。
 八戸と大洗はどちらも水没したのですが、
市街地のうち太平洋に面した方はまともに津波を受けました。
上の図は八戸ベースですが、南北反転すれば大洗も同じ立地になっています。
 福島第一原発の方は今日も大きな進展は無く、
報道+αで推定すると、好転はしていないと思います。
政府による情報統制と、地震や原発事故発生から日にちが経過し、
メディアも報道から撤退し始めていて、だんだん正確な情報が分からなくなりつつあります。
 菅首相は「危機を脱する光が見えた」みたいなことを言っていましたが、
まだその判断は早いと思います。・・・と言うか、菅首相の発言は信用出来ません。

 放射線量はやや微減で、一時的に放射線量が上がるのは、
放水により放射性物質が外に飛散しているからだと思います。
久しぶりに正門の測定値が出ていましたが、前に比べると随分悪化したようです。
ただ、「正門で再び測定出来るようになった」と考えれば、
若干、不安が解消されます。
 一方、3号機から灰色の煙が出たと言うのが非常に気になります。
ただ、煙が灰色と言う事は水蒸気爆発のものではなく、
3号機内の機器または建屋などの建材が燃えた可能性があります。

 枝野官房長官の発表によると、
廃炉に関しては「1号機は確実」、「2〜3号機は廃炉の可能性」のようですが、
私は6号機以外のマークI型タイプは今回の事故で持ちこたえても、
また重大な事故を起こす可能性があるので、廃炉にした方がよいと思います。
 確かに、新しい原子炉が完全に安全な訳では無いのですが、
格納容器の寸法拡大、建屋の強度強化、緊急システムの更新などがはかられるので、
同様な事故が起こった場合でも被害の程度が軽減されるからです。

月鏡徒然草・臨時2

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