海辺の急行・山陽電鉄本線18
42(SY42)、手柄(てがら)Tegara
相対式2線の駅です。
駅直ぐ左側に国鉄播但線飾磨港支線の線路跡があるのですが、
現役時代、ここには駅がありませんでした。
駅の東側に姫路市中央卸売市場があります。
駅東500メートルの所に手柄山があり、
山の上は広大な公園になっています。
昭和41年から昭和49年まで
姫路駅から手柄山までモノレールが走っていたのですが、
利用客が少なく赤字だったため、休止の後、
昭和54年に廃止になりました。
現在、手柄山に行く場合はこの駅が最寄りになります。
姫路市中央卸売市場の横を走ります。
右手の道路が少し離れます。
昔はこの右手の道路の場所を走っていました。
平成18年に国鉄播但線飾磨港支線の線路跡側に切り替えられました。
なお、ここから架線はフィーダメッセンジャーカテナリーになります。
右カーブになります。
JR山陽新幹線が上を交差します。
下の山陽電気鉄道は平成18年に新設されたのですが、
ここは元々国鉄播但線飾磨港支線と交差していたので、
上を交差するJR山陽新幹線の高架橋の橋脚は、
交差用にスパンが長くなっており、
中間部の梁もありません。
そして直ぐ、JR山陽本線、姫新線と交差します。
高架上で分かりませんが、
右手から旧線路跡が近付いています。
昔はここら辺で姫路モノレールが東西方向に通っていました。
シーサスクロッシングを過ぎ、
線路が分岐していくと、終点姫路駅です。
43(SY43)、[山陽]姫路(ひめじ)Himeji
4面4線の駅です。
一見、南側の1線以外は両側にホームがあるので、
乗降分離が出来るように見えるのですが、
現在は、
●北側1面不使用(4両分)
●1、2番線間ホーム、1番線側のみ使用(4両分)
●2、3番線間ホーム、2番線側のみ使用(6両分)
●3、4番線間ホーム、3番線、4番線両方使用(6両分)
と言った変則使用になっています。
昔は乗降分離をしていたのですが、
そこまで利用客が多い駅でも無いのと、
扉開閉の手間を省略するために今は行っておりません。
また、昔は4番線も両側ホームがあったような跡があります。
時間帯にもよるのですが、ホームの長さの関係で、
基本的に北側の1、2番線を普通列車、
南側の3、4番線を特急列車が使っています。
(手柄駅方向撮影)
車止め側です。ホームの使われていない側には鉄製の柵がされています。
ホームの手柄駅寄りは線路切り替え時に工事したため新しいのですが、
車止め側は昔からの雰囲気を残しています。
山陽電気鉄道姫路駅の高架化は昭和29年と古いです。
高架化前は若干南東側に駅がありました。
山陽電気鉄道姫路駅の駅ビルは同系列の山陽百貨店になっています。
このビルは神姫ビルで、元々は神姫バスが所有していたのですが、
令和4年に山陽電気鉄道に払い下げています。
ただ、今でもテナントとして神姫バスの本社が入居しています。
神姫ビル売却の理由は、
このビルが昭和37年に出来たビルで老朽化しており、
近い将来大規模な耐震化工事か建て替え工事が必須で、
それには莫大な費用がかかるためだったようです。
なお、写真手前側(姫路城側)は元から山陽電気鉄道所有のビルになっています。
また、神姫ビルの南西側に接続する形で比較的新しいビルがあるのですが、
これは元々神姫バス・山陽電気鉄道合同ビル(山陽百貨店西館キャスパ)で、
両社が合同で所有していました。
このビルも神姫ビルと同じ令和4年に山陽電気鉄道に完全に払い下げています。
JR姫路駅は駅前広場を挟んで南東側対角線上の位置にあり、
同駅の駅ビルピオレ姫路とは、
山陽百貨店西館キャスパの通路及びペデストリアンデッキで結ばれています。
白鷺城として有名な世界遺産姫路城はJR姫路駅と逆方向の北へ歩いて
約1キロメートルのところにあります。
〜おまけ・姫路モノレール線路跡〜
姫路モノレールは姫路駅から大将軍駅を通り、
手柄山駅までの1.6qを結んでいた路線です。
このモノレールはロッキード(ロッキード事件で有名な航空機製造会社)式で、
軌道桁上の1本のレール(普通鉄道と同じレール)を走行レールとして、
また、軌道桁両側に付いていた2本のレールは、
案内軌条(ガイドレール)として使っていました。
その他、北側の軌道桁上部には集電用のレールもありました。
この方式はこの姫路モノレールと、
小田急電鉄の向ヶ丘遊園のモノレールに使われていたのですが、
今はどちらも廃止となってしまい、見ることが出来なくなってしまいました。
姫路モノレールの線路跡は殆ど撤去されてしまったのですが、
山陽電気鉄道本線に交差する前後は橋脚下部が建物の中にあるため、
橋脚のみ撤去されずに残っています。
今は若干西寄りに移動しているのですが、
昔はこの橋脚のすぐ横で山陽電気鉄道本線と交差していました。
そのため、長スパン用の頑丈な橋脚になっています。
平成中期までモノレールの線路が殆ど残っていたのですが、
最近、大部分が撤去され、10階建てアパートの3階にあった、
中間駅の大将軍駅は老朽化のため、アパートごと撤去されてしまいました。
今は日本セラムの工場横と、
姫路駅周辺の古いビルや商店長屋に線路の橋脚が残っているだけですが、
これも撤去は時間の問題だと思われます。
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