関東廃線鋼索鉄道・索道案内1

日本各地にあるケーブルカーとロープウェイ。
しかし、歴史上星となって消えた路線もかなりあります。
このページでは関東で廃線となったケーブルカーとロープウェイを特集します。



1、小河内(おごうち)観光開発

小河内観光開発は、
東京都奥多摩の川野駅から奥多摩湖を渡って、
三頭山口(みとうさんぐち)駅までを結んでいたロープウェイです。
普通ロープウェイは山を登るためにあるのですが、
このロープウェイに限っては湖を渡るためにあったようです。
実際三頭山へは三頭山口駅からまだまだ歩きます。
昭和30年代後半に開通した路線ですが、僅か1年程度で廃止になったようです。
利用客があまりいなかったことや川野駅の場所が分かりにくいこと、
将来的に開通する奥多摩周遊道路の関係もあったかもしれません。
これがもう少し小河内ダムよりで、
駐車場からすぐ乗れる位置に駅を造っていたら今でも残っていたかもしれません。
現在でも施設は撤去されずに残っていますが、
いかんせん40年以上経過しているので、荒れ放題の廃墟で、
現在は廃墟ファンの格好の取材場化しています。
鉄道ファンで取材するのは私含めて十数人しかいないかもしれません。


川野駅です。
国道411号線(青梅街道)沿いの東京都営駐車場から国道を横切り、
急坂を登っていくとたどり着きます。
問題は駐車場から国道を横切らなければならないところで、
トンネルのすぐ横なのでかなり見通しが悪いです。
急坂も息が切れ、これでは客が来ないわけです。
ただ、駐車場沿いは今でも何軒かみやげ物&食事店が営業しています。
〜〜〜〜〜
川野駅はテニスコートを横切ったところにあります。
テニスコートはかつての駅前広場だったと思われます。


川野駅の改札口です。
資材置き場化していますが、比較的原型を保っています。


川野駅は改札口の下の階に機械室があります。
滑車やロープは全然傷んでなく、今でも使えそうです。


この写真にある椅子・・・。背もたれなどがとけてなくなっています。
廃線からの年月の長さを思い知らされます。


小河内観光開発の搬器です。川野駅にあるのは「くもとり」号です。
「くもとり」は三峰ロープウェイにもありますが、
小河内観光開発の方は小型のかわいい搬器です。
窓ガラスなどはすっかり壊れてなくなっています。
何人かの廃墟ファンは実際にこの搬器に乗ったようですが、
このページをご覧になっている方は絶対にそのような行為をしないでください。
キャリア(走行装置)やハンガーが錆びて痛んでいて、ロープも痛んでいるので、
搬器が落下する危険性があります。


川野駅の駅名板です。完全な手書きです。
次の駅は「みとうやま」になっていますが、
本当の駅名は「三頭山口(みとうさんぐち)」のようです。


1番支柱です。東京都営駐車場脇の道を少し行ったところにあります。
錆びていますが、かなりがっしりしています。


2番支柱です。
川野駅から奥多摩湖を渡って対岸の奥多摩周遊道路の休憩駐車場内にあります。
駐車場を造るとき、支柱を撤去できなかったようで、
ご丁寧にフェンスや柵で支柱を囲んでいます。


三頭山口駅にある搬器、「みとう」号です。
こちらはつたが絡まりまくっていてかなり不気味です。
三頭山口駅は、奥多摩周遊道路の元料金所横にあるよう壁の階段を登り、
よう壁上の道を歩き、少し荒れた斜面を登ると着きますが、
危険なのでおすすめではありません。夏場は草が茂り不気味極まりないです。
鉄道ファンは殆どこの駅に来ていないと思います。ここまで来ると廃墟ファンの領域です。


三頭山口駅の駅名板です。塗装がはげて「かわの」の文字が見えません。
この駅のローマ字表記は「MITOSANGUTHI」になっています。


「みとう」号を横から見ると、塗装は「くもとり」以上にはげています。
しかし、まだ一部窓ガラスが残っています。


三頭山口駅の改札口は階段を登って行きますが、
不気味なので行く気がしませんでした。
現在駅舎を出ても登山道はなく、三頭山へは行けません。
駅周辺は駅舎の残骸(特に乗り場屋根関係)が散らばっていて汚いです。



2、東武興業中禅寺温泉ロープウェイ

中禅寺温泉ロープウェイは、
日光華厳の滝駐車場横にある中禅寺温泉駅から、
茶ノ木平駅までを結んでいたロープウェイです。
平成15年初頭まで運転していましたが、突然施設老朽化のため休止となってしまいました。
施設更新工事も全くやってなく、事実上廃線になったと思われます。
茶ノ木平は中禅寺湖がのぞめる絶景のところでしたが、
地味だったため、あまりここに来る観光客は多くなかったと思われます。


中禅寺温泉駅跡地から撮影した中禅寺温泉ロープウェイ廃線跡。
中禅寺温泉駅の駅舎はきれいに撤去されて何もありません。
路線跡地もロープどころか支柱もなく、今では木がないことでしか廃線跡が確認できません。
茶ノ木平駅跡には訪れていませんが、一部施設が残っているようです。
現役時代は鬼怒川温泉ロープウェイとほぼ同じ型の搬器が走行していました。

関東廃線鋼索鉄道・索道案内2

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