ロープウェイ用語案内

電車のページ6系統では、ロープウェイの特集を行っていますが、
ロープウェイを扱っている鉄道サイトが少なく、
一部用語などが分かりにくいと思われるので、
このページではロープウェイの基礎用語をご案内いたします。



A,ロープウェイとは

ロープウェイ(古い言い方では「空中ケーブル」)は、日本語で索道(さくどう)と言います。
つまり、太い綱の道を走行して人や物を運ぶ輸送機関のことを指します。



B,搬器(はんき)の構造

搬器は一般的には「ゴンドラ」と呼ばれていて、人や物を運ぶ装置を指します。
一般には走行装置(又は握索装置)と客室(又は椅子)、
そしてそれらをつなぐハンガーで構成されています。





C,ロープの種類

ロープは後述のロープの本数による分類によって構成が変わります。

1、支索
鉄道で言えばレールの役目をするロープです。
その字のとおり、搬器を支えるためにあります。

2、支索緊張索(しさくきんちょうさく)
支索は曲げるのが難しいため、曲げる必要のある箇所に使っています。
主には駅にある誘導滑車から緊張重錘(きんちょうじゅうすい)を吊るす部分に使っています。
緊張重錘とは、搬器の重みで支索がたるみすぎないようにするおもりです。

3、曳索(えいさく)
搬器を引っ張って動かすロープです。
電動機についた、駆動滑車にてロープを動かします。

4、平衡索(へいこうさく)
搬器の位置を保つためにあるロープです。
一つの搬器でもう一つの搬器を動かすロープです。
交走式にある特異なロープです。

5、支曳索
1本で、支索と曳索両方の役目をするロープです。循環式に主に使います。

4線交走式の場合のロープ構成(宝登山ロープウェイ)


単線自動循環式の場合のロープ構成(白根火山ロープウェイ)


複式単線自動循環式の場合のロープ構成(谷川岳ロープウェイ)




D,運転方式による分類

ロープウェイは3つの運転方式があります。

1、交走式

2台の搬器が、行ったりきたりする方式。
中間で2台の搬器がすれ違い、
常に同じ搬器が同じ側の経路を走る特徴があります。
大型の搬器が多く、一度に大量の乗客を運ぶのに適しています。
また、利用状況に見合って減便、増便、運休が自由にできる利点があります。
欠点は、最小運転間隔が運転時間+乗降時間のため、
路線長が長いロープウェイは増発が困難で、
乗車待ちになりやすいことがあげられます。

2、自動循環式

多数の搬器が循環運転している方式。
駅部分では搬器がロープを離し、誘導レールにて動ぐため、
駅構内では自由に搬器を動かしたり止めたりできます。
そのため、動いている搬器に焦って乗る必要はありません。
小型搬器が多いですが、
状況に見合って運行搬器を増やすことが出来、簡単に増発ができます。
欠点は、常に運転しなければならないため、
客が少ないときは運転コストがかかるのと、
運転時間終了後、降りていない乗客がいないかどうかカラ運転するため、
やはり運転コストがかかることです。

3、固定循環式

固定循環式・パルスゴンドラ(交走式でも運転可能)


固定循環式・リフト

多数の搬器が循環運転している方式です。
搬器をロープに固定して、
駅(又は乗り場)で搬器がロープを離すことがありません。
そのため、駅(又は乗り場)では動いている搬器におそるおそる乗る勇気が必要です。
ただ、全体を止めたり動かしたりして調整はできます。
客室式の搬器と、グリップや椅子式の搬器があり、
後者は「リフト」と呼んでいます。
欠点は動いている搬器に乗るため、危険性があるのと、
自動循環式と同じ欠点が挙げられます。
また、リフトは増発ができない欠点があります。
なお、榛名山ロープウェイは固定循環式のパルスゴンドラですが、
交走式で運転することも出来ます。



E,ロープの本数による分類

ロープウェイは路線によって本数がバラバラで色々な種類があります。

1、単線式
1本の支曳索のみの方式。循環式に主に使用している方式です。
関東では白根火山ロープウェイ・榛名山ロープウェイ・
日光白根山ロープウェー・スカイシャトルなどが該当します。

2、複式単線方式
2本の支曳索の方式。通称「フニテル」と呼ばれています。
単線式より風による影響が少なく、
ある程度大きい搬器が導入できる利点があります。
谷川岳ロープウェイ・箱根ロープウェイなどが該当します。

3、3線方式
1本の支索と2本の曳索及び平衡索の方式。
比較的小型搬器の交走式ロープウェイに使われる方式です。
渋川伊香保ロープウェイ・鋸山ロープウェー
・明智平ロープウェイ・鬼怒川温泉ロープウェイなどが該当します。
また、2支索と1本の曳索及び平衡索の方式も登場し、
那須ロープウェイなどが該当します。

4、4線方式
2本の支索と2本の曳索及び平衡索の方式。
交走式ロープウェイでは一番一般的な方式で、全国各地にあります。
かなり大型の搬器が導入でき、定員100名以上の搬器もあります。
宝登山ロープウェイ・筑波山ロープウェイ・箱根駒ケ岳ロープウェーなどが該当します。



F,支柱

路線の途中にある、ロープを支える柱が支柱で、鉄塔式と鋼管式があります。
比較的古いロープウェイは鉄塔式が多いです。
環境に合わせた塗装にしているのが多く、緑系・茶色系の塗装が多いです。
鉄塔ごとに支柱番号がふってあって、番号札が大体貼っています。
支柱の数は、上記の方式の組み合わせや路線環境、製造会社などによってバラバラで、
明智平ロープウェイなどは路線が短いため、支柱はありません。



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