最新老舗・箱根登山鉄道鋼索線3

06(OH62)、早雲山(そううんざん)Sounzan


早雲山駅は乗降分離しています。
写真右側が降車ホーム、左側が乗車ホームです。


早雲山駅の駅名板です。
強羅駅の標高が553Mに対してこの駅は761mです。
1.2qで高低差208mでのぼるので、
このケーブルカーは全体的に緩やかな勾配の路線になっています。
なお、小田急箱根ホールディングスの駅名板(箱根登山鉄道・箱根ロープウェイ等)は、
みんなこのデザインに統一されています。


早雲山駅の改札前横にガラス窓があり、
機械室を見ることができます。
写真は主索輪の駆動滑車で、
滑車は電動機や制動(ブレーキ)装置に繋がっています。
今の車両になったときに滑車関係も交換したので、まだ新しいです。


早雲山駅改札口です。
隣の箱根ロープウェイは自動改札なのにここは自動改札になっていません。
何ででしょう・・・。


早雲山駅駅舎です。
早雲山駅で下車する人は少なく、
大部分は引き続き箱根ロープウェイに乗って大涌谷や芦ノ湖を目指します。



〜おまけコラム1・山岳交通機関紹介〜

鉄道の欠点は急勾配が登れないことです。
限界は80パーミル(道路で言えば8%)しかありません。
この限界を超えるには、特殊な山岳交通機関が必要になります。
日本の山岳交通機関の9割以上は、
ロープウェイかケーブルカーですが、代表的ものは4つあげられます。
ここでは山岳交通機関の種類を簡潔にご紹介します。

1、ロープウェイ又はリフト(旧称・空中ケーブル/和名・索道)
わが国で一番多い山岳交通機関です。
空中に渡したケーブルなどで搬器を動かし、人や物を運びます。

2、ケーブルカー(和名・鋼索鉄道)
ロープウェイの次に多い、古くからある山岳交通機関です。
ケーブルで車両をレールに沿って動かし、人や物を運びます。
最近は新規に建設することは少なくなっています。

3、ラックレール
世界的には結構路線数が多いのですが、
日本では大井川鉄道井川線の一部にしかない交通機関です。
レールに平行して敷いたラックレールに、
車両の歯車を噛み合わせて急勾配を走らせる方法です。
世界的にはアプト式が採用されることが多いです。

4、スカイレール
ロープウェイとモノレールを組み合わせた新しい乗り物です。
日本には広島県の瀬野しかありません。
モノレールと違って車両側に動力は必要なく低コストで運行でき、
ロープウェイと違ってカーブがつくれるなど様々な優位面があります。

〜おまけコラム2・山岳交通機関どれが優位?〜

山岳交通機関と言えばロープウェイ(リフト含む)、
ケーブルカーと言ったおなじみのものから、
ラックレール・スカイレールなどがあります。
しかし、日本ではロープウェイが圧倒的に多く、
ケーブルカーはロープウェイに比べると少数派です。
一般的に古い路線はケーブルカーが多く、
新しい路線はロープウェイが多いのですが、
実際は色んな条件から最適な方法を採用しているようです。
ここでは、どの山岳交通機関が優位なのか表にしてみました。

ロープウェイ
ケーブルカー
ラックレール
スカイレール
カーブ
×
地形の凹凸
建設コスト
×
×
×
運行コスト
×
人件コスト
×
車両製造コスト
×
輸送力
交走式は△
循環式は○
長編成
×
×
急勾配
運転本数
循環式は○
交走式は×
×
道路などの交差
×
×
乗りやすさ(階段等)
×
×
車窓
×
×
中間駅
循環式△
交走式×

上の表はあくまでも平均的なものですが、
ロープウェイとケーブルカーとの選択は、
カーブの有無と建設コストの具合、
道路との交差、車窓などが大きくかかわっているようです。
また、ロープウェイは条件に応じて様々な方式が選択できるという優位面があります。
逆にケーブルカーは2両編成も可能なので、
一度に大量に輸送したいときは優位です。

ロープウェイとスカイレールの選択はカーブの有無と、
車窓で選択されることが多くなると思います。
スカイレールはカーブがつくれますが、支柱が多くなり車窓は若干悪くなります。
また、建設コストもロープウェイよりかかります。

ケーブルカーとラックレールの選択は、
輸送力と運転本数などによって左右されます。
ラックレールは普通鉄道並みに自由なダイヤが組めます。
しかし、ラックレールの保守など運行コストもかかりますし、
建設コスト・車両コストもかかります。

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