
黒部川上流の各発電所
黒部川は大正時代から電源開発が盛んに行われました。
これは、この川が急流で、
高低差をかせぐのに最適な川だったからです。
昭和30年代には電力不足に悩む関西圏に対応するため、
黒部川第四発電所(くろよん)を造ることになり、
黒部ダムの着工を行いました。
難工事の末、昭和38年に黒部ダムは完成しました。
このような歴史のため、黒部川沿いには魅力的な水力発電所が多くあります。
今回は一部だけですがご紹介致します。


黒部峡谷鉄道の柳橋駅です。
横に西洋の城のような建物があり、
線路を引き込んでいます。

有名な新柳河原発電所です。
元々は若干上流に発電所があったのですが、
宇奈月ダム完成に伴い水没してしまうため、
平成5年に新しくこの発電所を造りました。
外見から発電所っぽくなく、
何も説明がなければ発電所だと分からないと思います。
送電線引き出し部分は山の上にあり、
黒部峡谷鉄道の車窓からは見えません。

建物下からうなづき湖に放水しています。
外国なら兎も角、日本だとラブホテルに見えてしまいます。

もう少し上流の猫又駅手前に線路を引き込んでいる大きい建物があります。

黒部川第二発電所です。
この時は工事をしていた関係か、
建物下の放水口から放水されていませんでした。
ただ、放水しなくてもそのまま新柳河原発電所の方に流す導水管があるため、
問題は無いようです。

発電所から出ている送電線は1系統ですが、
もう、1系統地中から引き上げている送電線があります。
これは新黒部川第二発電所のものと思われます。
なお、新黒部川第二発電所は地下にあるため、
地上から窺い知ることは出来ません。

小屋平駅から丁度黒部川第二発電所の水を取水している、
堰堤(えんてい/小屋平ダム)を見ることが出来ます。

黒部峡谷鉄道の欅平駅のホームから見える発電所があります。

黒部川第三発電所です。
建物の中から送電線が出ているのですが、
建物の上には計器用変成器があります。

計器用変成器は2基で、R相とT相に接続されています。
建物上には遮蔽線が張り巡らされています。

送電線は建物の奥から出ていますが、
中の様子は残念ながらよく見えません。
黒部に点在する発電所にはこのように建物の中から送電線が出ている所もあります。

黒部川第三発電所の発電所建物を黒部川側から見た写真です。
こうして見ると結構大きな建物だと分かります。

建物の最下部から水が放流されています。

黒部川第三発電所の直ぐ上流にもう一つ発電所があります。

関西電力の新黒部川第三発電所です。
黒部川第三発電所は仙人ダムから取水していますが、
新黒部川第三発電所の方は黒部川第四発電所から直接導水管で結ばれています。
新黒部川第三発電所で発電に使った水はそのまま、
新黒部川第二発電所に使われています。
そのため、一連の3発電所は何れも黒部ダムで取水していることになります。
※水力発電所の場合、
導水管はPC管より水圧鉄管を使うことが多いです。

ここも送電線は建物の中から直接出ており、
一旦引き上げた後、
出ている方向とは逆の方向に向けて送電線が延びています。
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