富山県の各種鉄塔紹介

富山県と言えば黒部川など水力発電所が多くあるところで、
送電線も北陸電力だけで無く、
関西電力のものもあるので、
様々な送電線、送電鉄塔が見られます。
今回は一部だけですが、魅力ある鉄塔を紹介したいと思います。




烏帽子(えぼし)形鉄塔の送電線です。
富山県内では結構見られます。
烏帽子形鉄塔は1回線だけの送電線でしか使えませんが、
各相の線を横方向に離すことが出来るため、
着雪による激しいギャロッピングを防ぐことが出来ます。
そのため、豪雪地帯では採用されることが多いです。


烏帽子形鉄塔も背の高いものから低いものまで様々あります。
この送電線は架空地線支持部分が黄色に塗装されています。
一方、右側の送電線は架空地線支持部分が赤に塗装されています。


上の写真の右側の鉄塔は、それぞれの回線が三角配列になった、
ドナウ型鉄塔になっています。
これは、別の送電線の下を交差するため、なるべく低くするためです。
なお、烏帽子形鉄塔と違ってドナウ型鉄塔は正式名称では無く、
ドナウ川が流れているハンガリーに多い鉄塔でかつ、
ヨハン・シュトラウス2世のワルツ、
「美しき青きドナウ」を踊っている女性に見立てて、
2000年頃に送電鉄塔ファン(おそらくJAMMIT氏だと思われる)が
名付けた通称(俗称)です。
ただ、現在では電力会社のSNSなどにも普通に紹介されているので、
半正式名称化しています。


関東地方ではかつて、安曇幹線などで烏帽子形鉄塔が見られたのですが、
現在は廃止、撤去されてしまい、殆ど見ることが出来なくなりました。


矩形鉄塔の送電線です。
この送電線は2回線あるのですが、
回線毎に鉄塔が分かれています。
これも烏帽子型鉄塔と同じく、
各相の線を横方向に離すことができるため、
ギャロッピングによる線の接触が防げます。


見にくい写真で申し訳ございませんが、
各回線の矩形鉄塔が仲良く並んでいます。


高岡市の伏木変電所付近です。
背の高い鉄塔や矩形鉄塔が建ち並んでいます。
矩形鉄塔は大体3回線を支持しています。


上の写真のすぐ近くの鉄塔です。
真ん中の鉄塔は地中に送電線を引き下げていますが、
上の1回線分は何も支持されていません。
右には片側にだけアームがある1回線送電線鉄塔があります。


伏木変電所はかなり規模の広い変電所なのですが、
その変電所の一部敷地に練習用配電線があります。
北陸電力管内なので、勿論装柱も北陸電力仕様になっています。


一方、こちらは関西電力の新愛本変電所です。
様々な形の鉄塔があり、
一部は茶色で環境塗装されています。
・・・が、真ん中やや右側の鉄塔は環境塗装では無く、
本当に錆びているようです。


南側は二次側(15万4千ボルト)の引き込みになっています。


綺麗に並ぶ避雷器のあと、
最初の鉄構のVトラスビームで一旦引き下げて断路器を通し、
再び引き上げて遮断器を通します。


そして、横母線で各回線を繋ぎます。
計器用変成器も所々設置されています。


変電所の真ん中辺りです。
マイクロ波アンテナの塔や変電所の事務所などがあります。
新愛本変電所内には制御所もあります。


変圧器は防音壁に囲まれていてよく見ることが出来ません。


北側は一次側(27万5千ボルト)です。
後ろには烏帽子形鉄塔も見られます。
写真ではよく分かりにくいのですが、
左側には地中から引き上げている三次側もあります。


一次側の遮断器はさすがにブッシングが大きいです。


新愛本変電所の柵は猿侵入防止装置が設置されているようです。
おそらく柵上のとげとげがそれだと思われます。

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