古い建物に残る碍子たち

古い木造建物は建物の内法が狭いため、
その部分に電線を収納することが難しいです。
そのため、建物の外側に分割碍子やノップ碍子などの碍子を取り付けて
電線を支持していることが多いのですが、
中には用済みになってしまっている所もあります。




家の軒先から顔を出すのはひな鳥・・・、ではなく、碍子です。
しかし、この碍子には電線は支持されていません。
おそらく、昔は上の切れた電線を支持していたのだと思います。


古い建物でよく見られる電灯線の引き込みです。
低圧電灯線は2線なので、それぞれの線にばらして碍子で支持させています。
しかし、碍子の間隔が狭くて多いような気がします。
規定的には2メートル以内に支持させなければならないようです。


屋根の梁に張り巡らされる(駄洒落?)電灯線です。


梁に無数のノップ碍子が付けられています。
ここまでくると木に「できもの」が出来たみたいで鳥肌がたちます。
なお、ノップ碍子は最近、アンティークとして、
再びリバイバル製造されているようです。


ただ、この線はお役御免になっているので、
所々電線が断線しています。


窓の格子にノップ碍子が取り付けられています。
果たして、こんな位置に碍子取り付ける意味があったのでしょうか?
「このノップ碍子は一体、どういう電線を支持したらこういう取り付けになるんだ!!」
と碍子に対して説教がしたくなります。


仲良く並んでいるねじ込み碍子です。
5線のうち3線は碍子支持の先で断線していますが、
後の2線は絶縁管引込口で断線しています。
一つだけ碍子が青色をしているのですが、
これは中性線(接地線に接続されて接地されている線)
を支持していたためと思われます。


軒下の暗いところにも碍子があり、
電線が支持されています。


支持してない碍子たち。
昔は建物を取り巻くように電線が張られていたのだと思います。


ノップ碍子で電線の向きを変えた後、
ねじ込み碍子の所でぶっつり切断されています。
使われていないとは言え、
残されていることに感謝です。


軒の垂木受けに隠れるようにして電線を張っています。
電線や碍子を目立たせない工夫が見られます。


軒の腕木部分です。
手前の線は絶縁管などを使って貫通させていますが、
奥の線は切れています。
ノップ碍子が腕木の左右に付いているので、
奥の線は貫通でなく、
腕木の下をそのまま通していたのだと思われます。

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