鉄道架線共架の1回線送電線
JR内房線の大貫〜竹岡間には1回線送電線が併架されているのですが、
よくみると色々な形状があります。
普通電車(しかも特急車両使用でない)の最後尾に乗ったときは、
乗務員室ごしに見てみると良いと思います。
なお、先頭車両は運転室背後のカーテンが閉められているので見ることができません。
大貫〜佐貫町間。途中からいきなり1回線送電線が始まります。
始まりはJRの変電所になっています。
かつてはもっと千葉駅よりの君津駅付近から始まっていたのですが、
君津駅から大貫駅の間は撤去されてなくなっています。
普通の鉄道架線柱に腕金を継ぎ足して、
4連懸垂碍子で支持しています。
しばらく併架区間が続きます。
この送電線は上段2線下段1線と上段1線下段2線両方の腕金支持方法があり、
支持方法が交互に変わります。
佐貫町駅構内。佐貫町駅は、駅に入る寸前、丘の下をトンネルでくぐるのですが、
その区間の送電線の経路は独立していて、鉄塔で丘の上を越えています。
他のトンネル区間も送電線だけは山の上を鉄塔かコンクリート柱で越えています。
佐貫町駅構内の送電線は、
ビームの上に腕金をT字に組み、懸垂碍子で支持しています。
駅構内にも架空地線があり、上部にちょこんと架空地線用腕金が出ています。
送電線下のビームには鳥よけの剣山があるのが特徴です。
更にこの送電線は続きます。
送電線が併架されていると、
なんだか交流電化区間に入ったような気分になりますが、
内房線は直流区間で、ちゃんと1500V直流き電線があります。
一方送電線の腕金はバリエーションに富んでいて、
写真のように下の2線支持の腕金がV字になった、
すずらん柱も見受けられます。
上段1線下段2線のすずらん柱から、
上段2線下段1線の継ぎ足し腕金柱に変わるところです。
後者はちょうどセクション区間のため、
電柱から吊架線とトロリー線が出ているので、
配置の関係からこのようにしているのだと思われます。
このトンネル区間の送電線は、コンクリート柱で山を越えています。
左手は海なので、塩害腐食防止のため鉄塔にしていないのかと思われます。
ここもトンネルを出たところなのですが、
送電線は2本の鉄道架線柱に渡されたH鋼についた耐張碍子にて支持されています。
下の吊架線はき電線もかねていて、インテグレート架線になっています。
上の写真から少し進んだ所です。
上総湊のカーブ。送電線があるだけで架線柱がすらりと見えます。
上総湊〜竹岡間にあるこのJR変電所で1回線送電線が終わります。
JRは送電線が併架されているところが少なく、
まして1回線となるとここくらいしか思いつきません。
貴重な区間ですが、一部区間が撤去されたように、
残区間もいつ撤去されてしまうかわかりません。
いつまでも残ることを祈るばかりです。
なお、後日調べたところ、
この近くには地磁気研究所があり、
変電所の間隔をつめなければならないので、
送電線が併架されているらしいです。
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