東武鉄道の各世代架線柱

東武鉄道の各世代の架線柱をまとめてご紹介します。




東武鉄道と言ったらこの鉄製架線柱です。
東武本線系統はまだ各所で残存していますが、
数を減らしているので、現役のうちに撮影しました。


写真の架線柱は東武動物公園駅と和戸駅の間にあります。
設置年月は大正15年7月になっています。
大正15年の12月に粕壁駅(現・春日部駅)から久喜駅まで電化が完成しているので、
その電化当初から使っている架線柱と言うことになります。


か細い架線柱が90年近く現役でいるのが素晴らしいです。


架線柱の土台部分です。
若干剥離はしていますが、まだまだしっかりしています。


鉄製架線柱のトラスは薄っぺらい金具になっています。
ただ、区間によっては太いタイプも存在しています。


高圧配電線の支持碍子をピン碍子から懸垂碍子に変更した関係で、
離隔距離を設けるため、架線柱が継ぎ足されています。
継ぎ足し部分は幾分頑丈なかご型になっています。
ビームは吊架線の懸垂碍子を1連から2連にした時、上にスライドしています。


上記の鉄製架線柱や木柱に変わる第2世代の架線柱が、
写真の細いタイプのコンクリート柱です。
東武鉄道ではこの第2世代のコンクリート柱も交換を進めていて、
次第に数を減らしています。


設置は昭和44年7月になっています。
なんだかんだ言って設置から40年以上経過しています。
大体このタイプのコンクリート柱は昭和40年代〜昭和50年台前半に最も採用されています。


第1世代と第2世代のトロリー線振れ留め金具は、
東武鉄道独特の多溝縦碍子タイプになっています。


このコンクリート柱は第3世代のもので、
太さが太くなっています。
ビームの位置が上がり、高さも高くなっています。
なお、ビームはVトラスビームが多いですが、
かご型ビームに交換したものもあります。


設置年は昭和57年3月になっています。


第3世代のかご型ビームタイプです。


設置年は平成4年9月で、まだまだ新しいです。


これは完全に新しいタイプで、
吊架線、トロリー線支持が可動ブラケットになっています。
可動ブラケットは架線の張力を均衡に保てる他、
吊架線やトロリー線の交換の手間が従来の懸垂碍子より簡単に出来る利点があります。
西武鉄道の影響か、高圧配電線の支持碍子が従来の懸垂碍子ではなく、
クランプ碍子になっています。
高圧配電線は駅や信号などの装置に使う付帯電力を供給する線で、
単相交流2線と三相交流3線があります。
昔は各私鉄共々単相交流2線と三相交流3線を併用して5線が多かったのですが、
最近は三相交流3線を2回線化して、
6線(そのうち3線はCVTなどの架空ケーブルが多い)にしている所が多くなっています。
東武鉄道も三相交流の2回線が増えているのですが、
この区間は若干ローカル区間になるためか、三相交流1回線のみとなっています。


何故か最近の架線柱は西暦表示になっています。
おそらく2000年を境に西暦表示にしたのだと思います。
なお、元号にすれば平成18年です。

川柳五七の電線のページ2Rへ戻る

川柳五七の電線のページトップへ

たわたわのぺーじトップへ