鉄道架線の観察
鉄道架線が近くで見られるところで観察してみました。
一般的なシンプルカテナリーです。
トロリー線はハンガーの下にあるイヤーで、
トロリー線上のくぼみを挟んでいます。
吊架線を支持するおなじみの懸垂碍子です。
直流区間は2連の懸垂碍子支持が一般的です。
トロリー線の振れどめ金具にも碍子が挟まっています。
直流き電線は電圧が低いため、
どうしても電線が太くなってしまいます。
電線が太いと風などによる電線の揺れが大きくなり、
電線同士が接触してしまう可能性があるので、
所々スペーサを挟んでいます。
直流き電分岐線を支持するピン碍子です。
こうやって見ると、ピン碍子と電線の接続方法がよく分かります。
き電分岐線からトロリー線に電気を供給します。
FRPセクションです。
分岐部ではエアセクションの余裕がないので、
FRPセクションがよく使われます。
ただ、エアセクションと異なり、一瞬電気が途切れるので、
パンタグラフから火花が発生することがあります。
吊架線にも微弱ながら電気が流れてしまうので、
所々碍子が挟まっています。
吊架線に流れた電気はコネクター(写真の螺旋状の線)を使いトロリー線に流しています。
インテグレート架線で使用されているフィーダメッセンジャーカテナリーの場合、
き電吊架線からコネクターを通してトロリー線に電気を流しています。
き電吊架線に接続されている線があるのですが・・・、
この線は避雷器に接続されています。
最近、東急電鉄で導入が進んでいるヘビーシンプルカテナリーです。
き電分岐線をよく見ると、吊架線にも電気を流しているのが分かります。
しかし、フィーダメッセンジャーカテナリーと異なり、
すべての電気を吊架線に流さず、き電線の補助のような感じで吊架線を使っています。
吊架線交換時にコストがかかるという、
フィーダメッセンジャーカテナリーのデメリットを極力抑えることが出来、
既存の施設でも容易に導入出来るというメリットもあります。
東急電鉄のようなタイプの架線を採用している場合の懸垂碍子は、
上の写真のようなポリマー碍子を使っていることが多いです。
変電所へ戻る負の電気はレールを流れているのですが、
レールには信号用の電気も流れています。
信号機のある絶縁繋ぎ目では負の電気は流して、
信号用の電気は流さないようにしなければなりません。
しかし、普通にボンドと言う線で両レールを結んでしまうと、
両方の電気が流れてしまいます。
それを防止するためにはインピーダンス(電気抵抗)ボンドと言う、
複雑な配線をする必要があります。
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