境界整正

屈曲している境界線を、
面積を変えずに綺麗な1直線に直すことを境界整正と言います。
大規模なものでは、道路や土地が複雑に入り組んでいる状態を整然な区画にする、
土地区画整理事業と言うものがありますが、
地図計測でも測りにくい土地を適宜分かりやすい図形にして計測する場合に使います。
バブル期、日本は「土地神話」と言うものがあって、
ちょっとした境界変更の計算ミスでトラブルになってしまう時期がありました。
現在は土地の価格が下がり、当時程では無いのですが、
やはり日本人は土地面積に関してはうるさいので、
慎重に計算する必要があります。



1、屈曲を直線に変更


上の図の境界LCRを双方の面積を変えずに整正する方法は、
点Cを通り、直線LRに平行な線MNを引きます。
そうすると、四辺形LMNRが出来、
その対角線が整正境界になる訳ですが、
その場合、RからNまでの長さを知る必要があります。

先ず最初に、角CRL=θ2と、角CRN=θ1の角度と、
線CRの長さを測ります。
角RCNは角CRLの錯角になっているので、
この角もθ2になります。
三角形の2角が分かれば、あとの角CNRは180度−(θ1+θ2)になります。
ここまで値が出れば、あとは正弦定理を使うだけです。
線CR/sin(180度−(θ1+θ2))=線RN/sinθ2
これを変形して、
線RN=線CR・sinθ2/sin(180度−(θ1+θ2))
で求められます。

2、屈曲が多い場合

a,平面直角座標を使う

屈曲が多い場合、求める方法は色々あるのですが、
平面直角座標が分かっている場合は、
その座標を使って簡単に修正出来ます。


上の図の場合(分かりやすくするため、この例の点Aは座標原点とします。)、
先ず多角形ABCDEの面積を台形法などを使って求めます。
直角三角形(点Eが直角)AEFは、多角形ABCDEの面積と同じになれば良いので、

線EF(L)×線AE(点A〜点Dまでのy座標の差の合計)÷2=多角形ABCDEの面積

これを変形して、

線EF(L)=(多角形ABCDEの面積×2)/線AE

Lが分かったら、Lから点Dのx座標を引けば、DF間の距離が求められます。

b,仮の線を引いて面積を比較する


上の図の場合、
大体双方の中間になる線AMCを引きます。
図形AXMと図形MYBCの面積を求めます。
図形AXMと図形MYBCの面積が等しければ、
線AMCが境界線になるのですが、
先ず、面積の誤差が出ると思います。
誤差が出た場合、

h×線AMC÷2=誤差の面積

これを変形して、

h=(誤差の面積×2)/線AMC

線AMCにh間隔分平行な線を引き、
交差する点をC´にすると、
線AC´が正式な境界線となります。

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