写真測量

写真測量とは空中写真(航空写真とは言いません)や、
地上写真を元に広範囲の地図を作る測量です。
現在の地形測量の主体はこの写真測量と言っても過言でなく、
国土地理院発行の地図はこの測量を元に作られています(一部を除く)。
一般的に「空中写真を単にトレースすればすぐに地図が作れるのではないか。」
と思われる方もいるかもしれませんが、
実際はそう簡単にはいかず、さまざまな行程を組んでやっと地図の原図を作るわけです。
今までの三角測量などの測地測量に比べるとアウトドア的な測量で、
大部分は室内でやります。



1、空中写真は全体的に正確か?

答えはノーです。撮影時にカメラや航空機が傾くと、誤差が出ますし、
時刻や気温や風でも誤差が出ます。
その誤差を無くす作業が必要なわけです。
なお、空中写真の外側に水準器、時計、高度計、焦点距離の数値が載っていて、
どのような状態で写真撮影されたかが分かるようになっています。

2、正射投影と中心投影


正射投影(投影とは対象物を平面状にうつしだすことです)とは、
位置関係を正確に投影したもので、
中心投影とは、空中写真カメラレンズを中心にして投影したものです。
上の図で説明しますと、
青の台形を平面状にあらわすとき、正射投影は赤の線のように、
中心投影は緑の線のようになります。
このことから、中心投影の中心部は実際より広くなり、外側は実際より狭くなります。
空中写真は中心投影なのに対して、地図は正射投影なので、
これを補正するために図化機という機械が必要になるのです。

3、空中写真の縮尺

空中写真は地図と違って縮尺が一定でなく、高度によって変わります。
なお、縮尺は色々な求め方がありますが、代表的なのは次の二つです。

a,写真の焦点距離と撮影高度、撮影地点の標高

1/縮尺=焦点距離/(撮影した高度−縮尺を出す地点の標高)

b,写真上の長さと実際の長さで求める

縮尺=実際の距離/写真上の距離
(ただし両方とも単位をそろえる必要があります。)

4、オーバーラップとサイドラップ


空中写真撮影するとき、同じ撮影コース内の写真同士を60%重複させ、
コース同士の写真を30%重複させて撮影します。
前者をオーバーラップ、後者をサイドラップと言います。
これは実体視(後述)をしやすくするためと、
写真撮影位置がずれた場合、隙間ができないようにするためです。

5、実体視

写真測量で欠かせないのは実体視です。
2枚の同一のものがある空中写真を使って、
右目で右の写真を左目で左の写真を寄り目で見ると、
立体的な像が浮き上がって見えます。
小学校の理科資料の付録に「実体視をしてみよう」と言うのがあって、
実際やってみてもあまりうまくいかなかった経験があります。
これは両目で視力が異なるのが原因のようでした。
なお、簡単に実体視できるようにした実体鏡と言うものもありますが、
プロの測量士は肉眼だけで実体視しています。
実体視をすると、比高(平坦面からの高さと深さの差)などが求められます。

6、図化作業

写真がそろったらいよいよ図化作業です。
図化するには2通りあり、図化機を使う場合と、
図化機を使わないで行う簡易図化(図解射線法など)とがあります。
図化機は、
写真をセットした後実体鏡で覗くと見えるメスマークと言う印を対象物になぞっていくと、
横にある描画台で地図を描いていくと言うものです。
最近はコンピュータで図化するので、作業が簡単かつ精密になってきました。
図化機を使わない場合は、
主点(写真の中心)を図紙に写し、隣あう写真の主点も写します。
次に基準点などから主点に向かう方向線をそれぞれの写真にひきます。
その方向線を図紙に写します。次に写真(3枚ですが)を入れ替え、同じ作業を繰り返し、
主点へ向かう方向線を交わらせます。
交わったところが図紙上の基準点の位置になります。
それを元に図化をしていきます。

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